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【社説】「柳長官娘特別採用」 公正性を考える契機に

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
 まさか柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官の娘が父のおかげで特恵を受け、外交通商部5級相当の通商専門職に特別採用されたと信じたくはない。柳長官の娘は7月の1回目の選抜当時、資格要件を満たせず、他の志願者全員とともに脱落した。書類要件を満たした2回目の選抜で、1次合格者3人のうち1人が選ばれ、面接を経て唯一の最終合格者に決まった。この過程で情実が作用したり不法・脱法があったとすれば、当然、捜査・処罰の対象だ。李明博(イ・ミョンバク)大統領も真相を把握するよう指示しただけに、採用の経緯から徹底的に明らかにしなければならない。

娘の採用が問題になると、柳長官は昨日、「特恵疑惑を招きうるという点を見過ごしたことについて申し訳なく思う。娘も応募を取り消すと話している」と明らかにした。志願取り消しですべての問題が終わるのか。そうではない。採用の過程に不正があったとすれば徹底的に正すべきだが、仮に外交部の釈明のように関連法令・規定に基づき公平無私に審査・選抜したとすれば、柳長官の娘はむしろ逆差別を受けた被害者となる。今回の波紋から教訓を得なければならないのは政府全体だ。各級公務員採用過程の公正性・信頼性を画期的に向上させられなければ、今後、民心の離反はもちろん、国の根幹までが揺れる余地があるからだ。

行政安全部が先月発表した「公務員採用制度先進化案」を見ても、行政公務員試験が来年から「5級採用」に変わり、各界専門家の特別採用が大幅に増える。筆記試験ではなく資格・学位・研究実績など書類選考と面接を経て選ばれる民間人出身5級公務員の比率が2015年には半分を占める。韓国は「低信頼社会」の上に最悪の青年失業に苦しんでいる。公正性が認められている筆記試験の代わりに、書類・面接で採用する場合、高度で厳正な管理システムなしには国民の多数が結果に納得するのを期待するのは難しい。政府が叫ぶ「公正な社会」も空念仏になるだろう。政府は今回の波紋に含まれた教訓を真摯に受け止める必要がある。二度と特恵疑惑が出てこないよう緻密な対策を用意しなければならない。

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