北朝鮮の金正日（キム・ジョンイル）国防委員長が２７日、中国吉林省の最大都市である長春市を訪問し、ここで中国の胡錦濤国家主席と会談したと、複数の消息筋が伝えた。

現地消息筋は「胡主席が長春空港に到着し、車で金委員長が宿泊しているホテルへ向かったという目撃者の話を聞いた」と述べた。この消息筋は「午後１０時４０分ごろ、会談と夕食会の日程がすべて終わった。夕食会に参加した吉林市の芸術団と歌舞団を乗せたバスが出てくるのが目撃された」と伝えた。

ソウルの外交消息筋も「胡主席は休養のため東北地域に滞留中で、金委員長もホテルに一日中いたことが把握された」とし「こうした状況から２人が会った可能性は高い」と述べた。




中国の別の消息筋は「習近平国家副主席が長春に現れたという話を聞いた」とし「胡主席や習副主席ら中国最高指導部が金委員長に会ったのは確実だ」と伝えた。５月以来３カ月ぶりに訪中した金委員長は中国最高指導部と▽後継問題▽経済支援問題▽朝中関係強化－－などを協議したとみられる。

これに先立ち金委員長一行を乗せたベンツの最高級モデル「マイバッハ」と大型ベンツリムジンなど２０余台の車がこの日午前１０時３０分ごろ、長春の迎賓館と呼ばれる南湖ホテルに入った。金委員長はこの日午前９時に宿舎だった吉林市の霧淞ホテルを出発、１００キロほど離れた長春へ向かった。

後継者と伝えられている三男キム・ジョンウンの同行は確認されなかったが、金委員長が２６日に吉林市北山公園を訪問した際、２人が一緒に行ったという目撃者の証言もある。

一方、２５日に北朝鮮を訪問したジミー・カーター元米大統領が、２７日、航空便で平壌（ピョンヤン）を出発したと、朝鮮中央通信が報じた。カーター元大統領は金委員長に会えなかった。通信は「金委員長が米政府とカーター元大統領の要請について報告を受け、不法入国した米国人男性アイジャロン・ゴメス氏を特別赦免し、釈放するよう命令した」と伝えた。

これと関連し、カーターセンター側は「カーター元大統領とゴメス氏は２７日午後２時（現地時間）、米ボストンに到着する予定」と明らかにした。