韓国とリビアの関係に赤信号が灯った。リビア政府が先月、トリポリにある韓国大使館の情報担当外交官を「ペルソナ・ノン・グラータ(忌避人物)」に指定して追放したのに続き、現地に滞在中の韓国人2人を不法布教活動容疑で逮捕した。ソウルにいたリビア経済協力代表部の職員らが全員撤収したため、ビザ発給業務が中断され、リビアを訪問する韓国企業関係者が不便を感じている。韓国の4大海外建設市場の一つであるリビアとのビジネスに悪影響が及ぶかもしれないという懸念も深まっている。経緯に関係なく遺憾な事態だ。誤解があるのなら解き、誤りがあるのなら正して、一日も早く摩擦を解消するのがお互いの国益になるはずだ。
現在まで伝えられた内容によると、リビアに派遣された韓国外交官の情報活動が問題の発端と見られる。通常的な情報活動の範囲を越えていないというのが政府側の主張だが、リビアの判断は違うようだ。タブーとされるカダフィ大佐とその息子に関する情報活動が‘不敬罪’に引っ掛かったというのが現地メディアの報道だ。情報活動の過程で金品が行き来したという声も聞こえる。事態の解決のために李明博(イ・ミョンバク)大統領の兄・李相得(イ・サンドク)議員が特使の資格でリビアへ行ってきたのに続き、韓国側情報機関代表団が現地でリビア側の関係者と交渉を進行中だが、結果を予測するのは難しいという。
韓国と友好的な関係を維持してきたリビアが突然、外交官の情報活動を問題にしたことには、それだけの理由があると考えなければならない。もし情報担当外交官の寡欲や未熟による不必要な摩擦ではないか調べる必要がある。今年は韓国・リビア国交正常化30周年となる。その間、韓国の建設会社がリビアで受注した工事は288件(346億ドル)。現在も51件のプロジェクト(92億ドル)が進行中だ。03年に核兵器など大量破壊兵器(WMD)プログラムを放棄したリビアは、北朝鮮核問題解決のモデルに取り上げられたりもする。政府はできる限りの誠意と忍耐を持って葛藤を解消することで、韓国企業の活動への支障を防ぐことが要求される。
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