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民主主義の産室として通じるギリシア・アテネのアクロポリスの丘。その中央には壁面が硝子になった4階ほどの現代式建物が立っている。ギリシア政府が2000億ウォン(約161億円)をかけて昨年6月に開館したニューアクロポリス博物館だ。ここにはパルテノン神殿上層部の外壁にあったレリーフが展示されている。珍しくもこれらレリーフのうちの一部はベージュで、残りは白だ。風波に苦しんだ跡がはっきりしたベージュのレリーフは神殿から持っていった本物で、白の展示物はイギリス大英博物館にあるものを倣って作った複製品だ。
19世紀初め、オスマン帝国に派遣されたイギリス大使エルゲン伯爵は神殿のレリーフを引き離して本国に送った。神殿4面にわたって約160メートルの長さで飾られていたレリーフのうち半分ほどがイギリスに行った。「エルギンマーブル」(大理石)と呼ばれるこのレリーフはその後、大英博物館に所蔵されている。ギリシアは1930年代から粘り強く返還を要求したが、所得はなかった。そして2000年この博物館を作り始めた。「ギリシアには当然保管する所もない」というイギリス側主張に刺激を受けたのだ。博物館関係者はイミテーション展示について「レリーフが大英博物館とここのうち、どこにあるほうが正しいのか観覧客たちに考えてもらう」と述べた。国際的世論造成でイギリスを圧迫するという意だ。ギリシア政府はほかの遺物を貸す条件を提示して返還を要求しているが、イギリスは「全世界人の文化財」という論理を展開し拒否している。イギリスは2004年アテネオリンピック期間に限定したギリシアの賃貸要請も黙殺した。
◆激しくなる略奪文化財返還の動き=ギリシアだけではなく全世界的に略奪文化財を返してもらおうとする動きが激しい。
「貴重な文化遺産を植民地国家よりもっと安全に保管することができる」という帝国主義論理はこれ以上通じないところまで、奪われた国々の地位が高くなったわけだ。文化財を多く奪われた国々で国際協議体を作る動きまで見せている。
ギリシア・エジプト・中国も「略奪文化財還収運動」中(2)
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