◆相手役のソン・イェジンにも「話しかけないで」＝相手役のミホを演じたソン・イェジンとも最初に会ったときに約束した。「あいさつは省略しようと言いました。慣れると冗談を言うようになり、それが演技に現れてしまうので」。彼はヨハンを「かわいそうな友だち」と表現した。「罪責感により一瞬の安らかさも自分に許すことができない男です。つらいからと息をつく一般人の人生がヨハンには許されていないのです。それで私も道を全力疾走するシーンやベッドシーンでも呼吸をこらえました」。

彼はインタビューで、「真正さ」という単語を何度も出した。江南（カンナム）区庁で公益勤務要員として勤務した軍生活。３年以上続いた空白がもたらした良い変化だという。「芸能人生活は行動半径も狭く、草花のように育てられる感じがすること多いです。最初の１年程度はとてもつらくて心に壁を作っていたようです。そのうちだんだん心を開き、人と出会いながら世界は本当に広く、人はそれぞれ小さな宇宙を持っている存在なのだという事実に気づきました。人にアプローチするスタイルや演技する心の持ち方をたくさん変えてくれたようです」。彼にとって真正さとは、人物の底まで行きたい人並みらぬ心だろう。そのせいか、ヨハンという容易ではない「冒険」を終えた彼の表情は一層深く、余裕を感じられた。



「白夜行」主演のコ・ス、「２日に１度寝ながら役作り」（１）