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【ニュース分析】政府「北のダム放流、納得できない」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
臨津江(イムジンガン)ダム無断放流に関して政府が7日午前に送った通知文に対し、北朝鮮は6時間後の午後5時、回答を送ってきた。「ダムの水位上昇による緊急放流だった」「今後は事前通報する」という内容だった。臨津江北側水域の他のダムとは違い水門が設置されたファンガンダムが今回の惨事の震源地だった、という点も明確にしたわけだ。

北朝鮮がこのように迅速な反応を見せたのは異例だ。しかし北朝鮮は今回の通知文を送り、韓国国民6人が死亡・行方不明になった原因を与えたことに対し、謝罪や遺憾表明が全くなかった。このため北朝鮮の速やかな立場表明は、何よりも‘北朝鮮版水攻め’という言葉が出るほど悪化した韓国内の対北朝鮮世論を和らげようとする意図だという解釈が出てきている。

金正日(キム・ジョンイル)国防委員長が先月16日、玄貞恩(ヒョン・ジョンウン)現代(ヒョンデ)グループ会長に会うなど、対南柔軟ジェスチャーを見せている状況で、今回の事態が突発的な悪材料になったからだ。こうした状況を考慮し、原因が北朝鮮の放流だった点を認め、再発の防止も迂回的に言及したとみられる。しかし人命被害についていかなる謝罪・遺憾表明がないという点でも、今後これに対する批判世論は強まる見通しだ。


また北朝鮮が水門開放の理由とする水位の上昇も説得力がないと指摘されている。統一部の当局者は「先月26-27日、臨津江流域に200-300ミリの雨が降ったことは確認されたが、その後、大雨は降っていないと把握している」と述べた。政府も北朝鮮側の通知に対し「納得できる水準でない」という立場であり、この点をめぐる南北当局間の議論も強まると予想される。

一部では北朝鮮に対する政府の対応も問題だという批判が提起されている。北朝鮮の無断放流で国民が死亡・行方不明になるなど被害を受けたにもかかわらず、北側と通知文をやり取りする水準にとどまったということだ。それも北朝鮮が事前に通知しなかったことに対し遺憾表明と再発防止を要求しただけで、謝罪の要求など重要な部分が抜けていたことが分かり、国民の感情を無視した政府の対応を批判する声が強まっている。

責任ある高位当局者が対北朝鮮声明を発表し、北朝鮮の責任を問うて、二度とこうしたことが発生しないよう対策を打ち出す姿を見せるべきだという指摘も出ている。政府当局者は「激昂した国民世論を理解しているが、静かな対応を通して再発防止などを協議していくことが必要だ」とし「経緯を把握するのが先であり、北側から正確な原因を先に聞く必要があった」と釈明した。

しかし以前の政府と違う‘堂々たる対北朝鮮政策’を繰り広げると主張しながらも抗議さえもできない態度では、今後の対北朝鮮政策の推進が難しくなる、という叱責も相次いでいる。北朝鮮が今後は事前通報すると述べたが、信頼できないという指摘もある。軍事境界線と隣接した臨津江流域のファンガンダムの場合、北朝鮮軍部が管轄し、当局レベルの合意がきちんと守られてこなかったという点からだ。世宗(セジョン)研究所の鄭成長(チョン・ソンジャン)首席研究委員は「政府が北側の善処ばかり訴えている姿だ」と述べた。



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