５４年間にわたり政権の座にあった自民党と蜜月関係を維持してきた日本の財界が急激な政権交代で深刻な悩みに陥っている。民主党との「対話の窓口」を作らなければならないが、民主党は冷淡な反応で、適当なコネクションもなく腐心していると朝日新聞が１日に報じた。日本経団連の御手洗冨士夫会長は先月３１日に会見を開き、「民主党とは緊密に政策議論を交換してきた」と民主党に積極的な“求愛”のジェスチャーを送った。

しかし自民党の長期政権で財界や各種の利益団体は野党とは党レベルの交流がほとんどなかったのが事実だ。野党第１党だった民主党すら政治資金の大部分を政府支援と党の会費でまかなってきた。２００７年基準で民主党が受け取った企業・団体寄付金６億円は自民党の５９億円の１０％にすぎなかった。政治資金が自民党にだけ集まり、民主党は冷や飯を食わされていた。それほど民主党は財界と距離があり、労組とは近い関係を形成してきた。

民主党の実力者の小沢一郎代表代行は選挙後、連合を訪れ選挙支援に謝意を示した。高木剛連合会長は「民主党から要請があれば人的支援を惜しまない」と述べた。民主党と労組の蜜月を予告したものだ。民主党は自民党の政党重視から社会福祉強化など再分配に重点を置いているため、政策樹立過程で労組の意見を積極的に取りまとめていく方針だ。次期首相の鳩山由紀夫民主党代表をはじめとする幹部らは中小企業に対しては税制支援政策を明らかにしているが、大企業に対しては沈黙している。さらに民主党は政権獲得から３年以内に企業の政治献金制度を廃止する方針だ。長い野党生活を続けながら金のかからない政治をしてきただけに、政権政党になった後も「整形癒着」を断つと宣言したものだ。政治資金に依存してきた自民党の金づるを遮断することも狙っている。


しかし財界は政権レベルで対話するだけのパイプや、民主党の政策決定過程に明るい人物がなく当惑している。

もちろん財界が民主党の政治家に完全に背を向けているものではない。一部財界関係者は個人的には民主党の政治家らと接触してきた。日本経済新聞によると、小沢代表代行と最も近い財界関係者は京セラや第二電電（現ＫＤＤＩ）の創業者の稲盛和夫氏だ。稲盛氏は小沢氏が過去に自民党に所属していた時から親しくつきあってきた。小沢氏はまた荒木浩東京電力顧問、三重野康前日銀総裁とも親しい。小沢氏は自民党幹事長だった１９９０年代初めに選挙資金を集める役割をしていたことがある。

鳩山代表は学習院初等部の同級生だった水野誠一前西武百貨店社長と親交がある。父親が流通最大手イオンの創業者である岡田克也幹事長は日本経団連の御手洗会長、今井敬名誉会長らと定期的な会合を持っている。しかし鳩山代表はこれまで財界とは距離を置いてきたため、財界は民主党とどのように関係を設定すべきか見極めきれずにいる。



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