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【グローバルアイ】漢字は国家競争力だ

「漢字とは何か。文化か、それとも文字か」。「文化だ」。「文字であると同時に文化だ」。「疎通のための文字だ」。禅問答のような討論に参加した人たちはみんな真剣な表情をしている。 最近、中国CCTVニュースチャンネルの人気時事番組「小崔説事」の討論の雰囲気だ。

この日のテーマは漢字の繁体字を復活すべきかどうか。 ゲストとして招かれた中国漢字研究学院の蕭啓宏博士が尋ねる。 「では簡体字は文化か」。さまざまな回答が出てくる。 「文化だ」。「疎通のための符号にすぎない」。中華文化編集の王干氏が入ってくる。 「簡体字は表意文字元来の形状と意味を喪失し、道理を語る文字としての資格がない」。傍聴席にいた女子中学生が手をあげて反論する。 「今になって繁体字を復元すれば、私たちの世代は文盲になる。 これに対してどう責任を取るのか」。蕭啓宏博士がまたマイクを握った。 「学生がいま繁体字を学ばなければ、数年後には中国文化の根本を韓国に行って学ばなければならなくなる…」。1時間ほど続いた討論からは「識繁写簡」という結論が出た。 簡体字で疎通するものの、繁体字は必ず学ばなければならない、という意味だ。

ほぼ半世紀続いてきた繁体・簡体字をめぐる論議が最近また中国で熱くなっている理由は何か。 中国経済が発展する中、繁体字が文化として認識されているからだ。 文字一つひとつに内在する歴史的・倫理的・哲学的価値の無窮を認識し始めたということだ。 驚くことに、これは中国だけのことではない。


日本は現在、漢字復興期だ。 昨年289万人が漢字検定試験を受験し、TOEFLの受験者よりも多かった。 主要企業の大半が漢字の実力に加算点を与え、492の大学、1000の単科大学、399の中学・高校では漢字は入試科目になっている。 その理由を日本の学者は、漢字が「正政之始」であるためだと分析している。 唐の時代に日本に渡った漢字はこれまで国家経営のほか、個人修養の根本哲学として認識されてきた、という説明だ。

ベトナムも賛同した。 今年初めハノイ大学法科教授の数人が自国の教育省に全面的な漢字教育を始めるべきだと建議した。 政府が前向きに検討を始めた。 理由は2つだ。 過去に漢字で記録されたベトナムの歴史の根本を失ってはならず、中華圏に囲まれたベトナムにとって漢字は国家競争力ということだ。

韓国はどうか。 2004年に始まった国家公認漢字資格試験の趣旨は自己啓発水準にとどまり、毎年受験者は数万人ほどだ。 中学・高校の漢字の授業は週1・2時間にすぎない。 大学の入試科目としてはいくつかの韓医大に限られている。 親の名前を漢字で書けない小中高生は8割を超える。 中国漢字教育の大家である蕭啓宏博士が自国の女子中学生に「数年後には韓国に行って中国文化の根源を学ぶことになるかもしれない」と述べた時、記者がドキッとした理由だ。



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