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【社説】韓国人殺害したアルカイダの自爆テロ、許せない

イエメン中部の町シバームで15日に爆弾が爆発し、観光中の韓国人4人が死亡した事件が、イスラム過激派のテロ組織「アルカイダ」の仕業であることがわかったと、17日、イエメン政府が公式に発表した。

服の中に爆弾を隠した犯人が、韓国人観光客の中に入り自爆した典型的なアルカイダの手口による自爆テロだったということだ。イエメン当局は犯行前に撮った犯人の映像とともに身元情報を確認し、テロの背後とみられる容疑者12人を逮捕、取り調べている。

他人事とばかり思っていたアルカイダの自爆テロにより、韓国人が犠牲になる驚くべき事態が初めて発生したのだ。世界の平和と安全を脅かすアルカイダのテロから、韓国も決して安全でないということが確認されたとの点から、衝撃と憂慮を禁じえない。


罪のない外国人観光客を犠牲にするのは、いかなる名分でも容認できないぞっとする犯罪行為だ。しかもアルカイダは10代の未成年者を洗脳させて「殉教」という美名の下、自爆テロに踏み切らせていることが明らかになっている。宗教の名の下、最も卑劣な反人倫の行為をためらわずに行ったのだ。

自爆テロは「イスラム諸国から米国など西側の力を追い出すことによって、イスラム原理主義の天国を建設する」というアルカイダの目標が、どれだけ呆れた誇大妄想であるかを自ら立証付けることになるだけだ。アルカイダのテロは、米国が主導する「対テロ戦争」の名分と正当性を高めることにしかならないという点に気付かねばならない。

今回の事態が外国人を狙った偶発のテロなのか、意図的に韓国人を狙ったものかは依然定かでない。イエメン当局が徹底的に究明すべき部分だ。しかしアルカイダの指導者オサマ・ビンラディン容疑者が98年2月、米国に対し「一神教聖戦団」(聖戦)を宣布し「民間人でも軍人でも、米国とその同盟国の人を殺すのは、すべてのムスリムの義務だ」と明言していた点から、米国の同盟国である韓国を狙った計画的なテロである蓋然(がいぜん)性も排除できない。

しかし「いかなる場合も許せない犯罪行為」という点からは変わらない。政府はイエメン全域を「旅行を控えるべき地域」から「旅行制限地域」に再分類するなど、遅れた対応に乗り出している。政府の注意を無視し、危険な地域を無謀に旅行する途中にあった事故程度と受けとめるのが、政府の最初の雰囲気だった。しかしアルカイダの仕業であることがわかっただけに、政府の対応も当然変わらねばならない。

徹底した捜査とともに、犯人への厳しい処罰と補償を求めなければならない。また、テロ根絶に向けた国際社会の努力に最大限協力するきっかけにすべきだ。罪のない国民の犠牲が無駄なものにならないようにするためにもそうである。01年9月11日の米同時多発テロ事件以降、アルカイダの勢力が大きく弱まったとはいうものの、今でもアルカイダは世界各地で暗躍している。

ビンラディン容疑者がアフガニスタンとパキスタンの国境地帯に潜伏し、地下組織はかえって拡大されたという見方も出ている。ロンドン、マドリード、バリ、ムンバイのテロなどいずれもアルカイダとかかわりのある組織の仕業であることがわかった。現在も進行中の「対テロ戦争」に積極的に加わるのは、国際社会の責任ある一員として当然な、韓国の責務である。政府は今回の事態を厳重に受けとめ、国家レベルの対応策を講じるべきだ。



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