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10月初めに中国から韓国に来るトキが受ける国賓級待遇だ。 李明博(イ・ミョンバク)大統領は5月に中国を訪問した際、胡錦濤・国家主席からトキ寄贈の約束を受けた。
慶尚南道(キョンサンナムド)は29日、牛浦(ウポ)沼(慶尚南道昌寧郡)周辺(2万3000平方メートル)のトキ飼育施設の工事が9月末に終われば、トキ空輸のための準備に本格着手すると明らかにした。 湿地保護のためのラムサール当事国総会(10月28日-11月4日)前にトキを迎え入れる計画だ。 トキの輸入のためには韓中両国でそれぞれ21日間ずつ、少なくとも42日間の検疫手続きを踏まなければならない。
慶尚南道の関係者は「一般の飛行機の貨物室に載せて運べばよいと思っていたが、トキを国鳥として扱う中国側が条件を要求してきたので、予算の確保に悩んでいる」と明らかにした。 慶尚南道は専用機の運航を含め、トキ輸送費用を約7000万ウォンと見込んでいる。 しかし中国側が大規模なトキ寄贈式を要求する場合、さらに費用がかかる可能性がある。
空輸には、トキのストレスを軽減できるよう特殊制作した横40センチ・縦50センチ・高さ70センチの箱が動員される。 全長50-60センチのトキの動きを最小限に抑えるためのサイズだ。 木で作った箱の中の4面には、トキが傷つかないよう麻で作った厚さ5センチのクッションを付ける。 各面に直径6-7センチの換気の穴が2-4個ずつ開いている。 暗ければ活動を中断する鳥類の習性に合わせて内部を暗くするということだ。
移動する間、鳥類専門家と飼育係が同行し、 温度、湿度、ストレスなどを随時チェックする。 異常があれば輸送を中断して適切な措置を取ることになる。 輸送作戦には、大田(テジョン)動物園のイ・イルボム動物管理チーム長(51)など専門家らが助言している。
輸送作戦は、中国内の陸路-航空便-韓国内の陸路の3分野に分けて行われる。 現在、中国陝西省洋県の種復元センターにあるトキを韓国に運ぶため、2種類のコースが検討されている。 洋県-西安-仁川(インチョン)国際空港-昌寧(チャンニョン)、または洋県-上海空港-金海(キムヘ)空港-昌寧だ。
慶尚南道は専門家の意見を聞いて検疫問題やストレス軽減案を確定する予定だ。 トキ復元事業を引き受けた昌寧郡の悩みも大きい。 金忠植(キム・チュンシク)昌寧郡守は「苦労して導入したトキが死んだ場合、国際的な恥をかくことになるので、心配で夜も眠れない」と語った。
トキは天然記念物第198号で、沼や田で魚やカエル、貝、昆虫などを食べるが、 農薬散布や環境汚染でエサが減り、国内では1980年以降観察されていない。 中国でもトキが減ると、79年、13県・2万平方キロメートルで7羽を見つけ、人工繁殖を始めた。 中国は現在、約1000羽(500羽は野生状態)を確保している。
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