ドナルド・トランプ米大統領の孫娘がホワイトハウスを背景に自身のアパレルブランドを宣伝し、物議を醸している。公的空間を私的な利益に利用したとの指摘が出ている。




トランプ大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏の娘、カイ・トランプ（Kai Trump）さん（18）は最近、自身のイニシャル「KT」をあしらったスウェットシャツを発売した。カイさんは9月26日（現地時間）、ホワイトハウスのサウスローンでトランプ大統領とともに報道陣の前に姿を見せ、この服を自ら着用して宣伝した。


このスウェットシャツは白・黒・紺の3色展開で、胸部中央と袖にカイ・トランプの名前から取った「T」と「K」がプリントされている。当時カイさんが着用したTシャツの価格は130ドル（約1万9000円）だ。彼女はホワイトハウスやリンカーン記念館を背景に撮影した写真をSNSに投稿した。

英国イーストロンドン大学のKent Le博士は「『トランプ』という名前とメディア露出効果を考慮すれば、初年度に数百万ドル規模の売上が可能だ」とし、「長期的には数千万ドル規模に成長する可能性がある」と予測した。

トランプ大統領は自身の名前と大統領職を利用したビジネスで批判を受けてきた。長男ドナルド・ジュニア氏と次男エリック氏は大統領とメラニア夫人の名前を冠した「ミームコイン」で巨額の利益を得た。長女イヴァンカ氏もかつて自身の名前を冠したブランドを運営していたが、ホワイトハウス顧問に就任した後に中断している。

批判が出ると、ホワイトハウスは「敷地内での写真撮影禁止規定はなく、政府が商品を保証したものではないため問題はない」と釈明した。カイさんのスウェットシャツは発売初期に原産地表示がなく中国製疑惑が持ち上がったが、その後「米国製」のラベルが追加された。またKTのロゴが他ブランドと類似しているとの指摘も出ている。

カイさんはトランプ・ジュニア氏と元妻ヴァネッサ・トランプ氏の間に生まれた。今年3月にはタイガー・ウッズの息子チャーリーさんとゴルフ大会に出場したこともある。昨年の大統領選当時にはMAGA陣営で新星インフルエンサーとして注目を浴び、インスタグラムのフォロワー数は223万人に達している。すでにスポンサー契約で100万ドル（約1億4700万円）以上の収益を上げたと伝えられている。