昨年、ドイツ連邦軍で右翼極端主義と関連した事件によって解任された将校が１００人に迫ったと、ＷＤＲ放送が２５日（現地時間）、報じた。

報道によると、ナチス式敬礼や人種差別的発言など、昨年連邦軍で発生した極右疑惑事件は計２８０件発生し、このうち９７人が解任された。これは２０２３年６２人に比べて５６％増加した数値だ。


国防省が左派党のザダ・サリホヴィッチ議員に提出した資料によれば、解任された兵士のうち少なくとも１７人は公然とナチス式敬礼をした事実が摘発された。ナチス式敬礼とは、手のひらを下に向けたまま右腕を斜めに上げるナチス式の挨拶法だ。ドイツでは刑法上、違憲組織表示使用罪により刑事処罰の対象となる。


ザリホヴィッチ議員は「一部の人員は武器に接近できる権限を維持したり、教官・上士として活動してきた」とし「民主主義を拒否する人は軍服を着たり武器を持ったりしてはならない」と指摘した。

ドイツ社会では、警察や軍内部の極右勢力拡散に対する懸念が深まっている。週刊誌『シュテルン』は、今年５月時点で極右性向により調査や懲戒手続を受けている警察官が少なくとも１９３人に達すると伝えた。

連邦政府は２０２３年、反憲法的行為をした兵士をより容易に解任できるよう軍人法を改正し、国防省傘下の防諜機関が兵士に対する監視と調査を強化している。

あわせて各級政府は、最近、極右性向政党であるドイツのための選択肢（ＡｆＤ）が右翼極端主義団体として公式に指定されたことに伴い、所属公務員に対する管理方策を議論中だ。

ラインラント＝プファルツ州がＡｆＤ党員の新規採用を全面的に遮断しようとしたが、「一律禁止は違憲」という指摘を受けて撤回した事例もあった。社会民主党（ＳＰＤ）など進歩政党は、憲法裁判所に提訴してＡｆＤ解散を推進しようという声を高めている。