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米国は原爆実験日、韓国は光復節…映画『オッペンハイマー』公開日の政治学

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

世界初の原爆実験「トリニティ実験」に成功した後、歓呼を受けるロバート・オッペンハイマー(キリアン・マーフィー扮)。映画『オッペンハイマー』(原題)の一場面。[写真 ユニバーサル・ピクチャーズ]

「原爆の父」を描いた映画『オッペンハイマー』が韓国公開初日の15日、観客55万人を動員した。今年韓国の劇場で上映された外国映画で最高のオープニングスコアだ。男性や50代観客など普段はあまり劇場に足を運ばない層の観客も多く見られたという。CGV戦略支援担当のファン・ジェヒョン氏は「普段の劇場観客は男性が40%程度占めるが『オッペンハイマー』の場合、54.5%に増えた」と説明した。

米国で先月21日に公開されたことと比べるとかなり遅れた韓国公開だ。「全世界同時公開」のようなトレンドに敏感な韓国劇場街で異例の選択といえる。なぜ光復節(解放記念日)だったか。米国ワシントン・ポスト(WP)は先月「韓国では8月15日、日本が第2次世界大戦で降伏したことを記念する光復節にスクリーン登場」としながら関心を示したことがある。『オッペンハイマー』の配給会社であるユニバーサル・ピクチャーズ・コリアは「最も多くの人が鑑賞することができる飛び石連休を選んだにすぎない」という立場だ。公開時期にはIMAX(アイマックス)上映館争奪戦回避も一因となった。IMAXカメラで撮影した『オッペンハイマー』は『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』から『密輸』『THE MOON』『コンクリートユートピア』に続く夏の大作とのIMAX上映館競争を避けて8月中旬以降を選んだという裏話だ。

映画のハイライトはニューメキシコ州アラモゴード(Alamogordo)で1945年7月16日に行われた世界最初の原爆実験「トリニティ実験」。映画ではCGを使用しない爆発場面が話題だった。米国公開はこの時期に合わせた。映画製作・配給会社は公開直前「トリニティ記念日上映行事」も開いた。ノーラン監督、ノーベル物理学賞のキップ・ソーン博士、原著『American Prometheus』でピューリッツァー賞を受賞したカイ・バード氏らが出席した。


『オッペンハイマー』はすでに49カ国で公開され、グローバル興行収益6億5000万ドル(約952億円)を超えた。3時間という超長尺に加え、R等級(青少年観覧不可)や難しい物理学の主要人物が登場する重たい伝記映画というハードルの高さにもかかわらず、ノーラン監督の歴代最高興行記録を更新している。

しかし原爆投下78年を迎えた日本ではまだ公開日程を決められずにいる。『オッペンハイマー』の米国試写会の時、日本共同通信は「米『原爆の父4』の伝記映画公開 広島・長崎の惨禍、描写なく」と題する記事を出した。「オッペンハイマーの葛藤は描写されているが、原爆の被害はほとんど登場しない」(朝日新聞)という指摘も出た。

映画は日本に原爆を投下する場面や被爆者の姿は扱っていない。ノーラン監督はこれに対して「ドキュメンタリーを作りたくなかった。映画はオッペンハイマーの人生に対する私の解釈」と述べていた。

日本観客が不快に感じる場面もある。初めての原爆実験が成功した後、また広島に原爆を投下した後に研究員が歓呼する姿、爆弾投下都市を決める場面などだ。トルーマンの戦争長官スティムソンが「日本国内12都市を選びました。いや、日本人たちに文化的意味が大きな京都を除いた11カ所です。京都は妻と新婚旅行に行った所です」と無関心に述べる部分も登場する。

米国では『バービー』と同じ日に公開され、性格が全く異なる二つの映画のポスターを結合した「バーベンハイマー」というミームがSNS上で流行した。ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン側がここに「いいね」をして日本オンライン上で炎上した末、公式謝罪を行うというハプニングもあった。このような理由で『オッペンハイマー』の日本公開はしばらく遅れる見通しだ。



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