9月に日帝強占期強制徴用被害者である李春植さんと会った外交部の朴振長官。[写真 共同取材団]
韓日両国は先月の韓日略式首脳会談と11日の韓日局長級協議などを経て日帝強制動員被害者支援財団など別途機関を活用した代位弁済案が現実的解決策ということに共感を形成した。日本企業が2018年の大法院(最高裁)判決を履行しない意志が明白な状況で、これを外交的に解決できる現実的代案は「迂回弁済」だけというのは韓日両国の共通した認識だ。
ただ賠償金弁済に向けた基金出資主体と条件、方式などの各論に対しては相互の立場が衝突している。韓国政府は韓国企業とともに三菱重工業など日本の戦犯企業も基金出資に参加してこそ被害者を説得する最小限の名分を用意できるという立場だ。これに対し日本側は被害者賠償に向け日本企業の出資を強制する場合、事実上大法院判決を履行する結果につながることになるとして否定的な立場を守っている。
◇「日本企業の参加と謝罪めぐり韓日に溝」
日本企業の賠償金を韓国の財団が代納する案に対して韓日両国が本格的な協議に入ったという23日の共同通信の報道に対し外交部は「特定のひとつの案をめぐって日本と協議していない」という反論的な立場を発表したのもやはりこうした理由からだ。共同通信の報道では日本企業の代わりに賠償金を支払うための財源を「韓国企業の寄付金」と明示した。これは日本側に「韓日企業共同の自発的出資」が必要だと要求してきた韓国政府の立場と真っ向から反する内容だ。
実際に韓国政府は韓日局長級協議など主要契機ごとに「日本の誠意ある呼応」を要求してきた。これは韓国側が大法院判決の直接履行ではない「外交的解決策」を用意する政治的決断を下しただけに、日本もやはり日本企業の基金出資と強制徴用被害事実に対する適切な形式の遺憾表明に出るべきというメッセージに当たる。これと関連して外交部の朴振(パク・チン)長官は24日の国会外交統一委員会総合国政監査に出席し「被害者の方々の要請事項を正確に把握し日本側に伝えた。韓国国民が納得でき被害者も全員同意できるように解決案を用意したい」と話した。
韓国政府関係者は「事実韓国政府の立場では大法院判決を迂回して『並存的債務買収』など外交的解決策を模索することそのものがリスクを抱え込んだ政治的決断で、韓日関係改善という大義のために一歩譲歩した決定。強制徴用問題は結局韓日とも一歩ずつ譲歩しなければならないが、まだ日本側からは意味ある『譲歩のジェスチャー』が出ておらず、協議は遅々として進まない状況」と話した。
◇韓日外交次官協議で「調整」の可能性
外交部の趙賢東(チョ・ヒョンドン)第1次官は25~27日に日本を訪問し強制徴用解決法導出に向けた総力戦に出る予定だ。特に訪日期間中に予定された韓日外交次官協議と日本の高官表敬訪問などを契機に日本政府が懸念する「強制徴用大法院判決履行」を迂回しながらも日本企業の自発的基金出資を誘導できる具体的方法に対する議論が行われると予想される。
外交消息筋は「韓日両国の強制徴用問題協議が真の解決策となるのか、意見衝突による協議決裂に帰結するかは日本がより進展した姿勢で誠意ある呼応に出るかどうかにかかっている。日本内部でも今回の機会でなければ強制徴用問題は永遠に解決できない課題として残りかねないという認識が大きくなっているだけに今回の韓日次官協議が重要な分岐点になるものとみられる」と話した。
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