野党が外交安保ラインの全面的交代を声を一つにして要求した。９日に開かれた国会政治・外交・安保分野の対政府質問で、北朝鮮木造船の三陟（サムチョク）港無断入港と日本の輸出制限措置への政府の対応を強く批判しながらだ。

自由韓国党の兪奇濬（ユ・ギジュン）議員は「北の木造船が韓国領海に入ってから４７時間も認識できない状態で三陟港に入ってきた。国防部長官が責任を取るべきだが、責任を回避するような発言をし、部下に責任を転嫁した」と批判した。

朱豪英（チュ・ホヨン）韓国党議員は康京和（カン・ギョンファ）外交部長官に対し、主要２０カ国・地域（Ｇ２０）会談で文在寅（ムン・ジェイン）大統領が７つのセッションのうち４つに出席しなかったことを指摘し、「長官が就任した２年間、大韓民国の外交が完全に崩れたという声が多い。メディアに『ショーウィンドー』外交部長官という言葉まで出ているほどだ」と指摘した。尹相ヒョン（ユン・サンヒョン）韓国党議員、朴智元（パク・ジウォン）民主平和党議員も外交安保ラインの交代を要求した。


李洛淵（イ・ナギョン）首相は「議員の皆さんの意見を心に深く刻んで話し合う」と答えた。また「議員の意見を青瓦台（チョンワデ、大統領府）と相談する機会があると考える」とも話した。

この日、与野党は北朝鮮木造船の三陟港無断入港を一斉に叱責し、李首相は「この上なく大きな失策だった」として頭を下げた。朴智元議員は日本の輸出規制措置以降、青瓦台が財界人と何度も会っていることについて「（日本の輸出制限措置の兆候を）８カ月前に知っていたという政府が今になってなぜ、あれほど遠ざけていた大企業のトップを何度も呼んで、何をしようというのか。差し出がましく、あれほど憎んでいた大企業を呼びまくっている」と指摘した。

郭尚道（クァク・サンド）韓国党議員はこの日、文在寅大統領の婿と親戚の関連疑惑を提起した。郭議員は「タイのバンコクにあるタイ・イースター航空のパク代表によると、文大統領の婿Ａが会社のメールで履歴書を送って２０１８年７月に採用された。業界で経歴が全くないＡが公開採用過程もなく採用されただけに、文大統領を不正処事後収賂罪で捜査をすべきではないのか」と要求した。

文大統領の親戚のキム・ハンス培材大教授については「キム教授が在職している培材大は２０１２年に基準に満たない大学に選ばれ、教育部の１次評価でも２段階診断対象に含まれたが、２カ月半後の最終評価で培材大は自律改善大学に変わった」と主張した。続いて「キム教授は最近、メディアのインタビューで『培材大は１次評価で１２１、１２２位だったが、予備合格圏にあった学校が脱落して合格することになった』と話した」とし「教育部は大学別評価点数を通知するだけで順位を知らせていない。教育部が公開しない順位をキム教授はどうやって知ったのか」と指摘した。また「教養科目の教授としてスカウトされ、１つの科目だけ教えていたキム教授が、１年で破格的に副総長に昇進した。見返りの昇進ではないのか」とも質問した。

これに対し李首相は「知っていることは全くない」とし「教育部に聞いてみる。報告する」と答えた。この日、郭議員が文大統領の家族に対する疑惑を繰り返し提起すると、李首相は「議員の憶測力はいつも私の想像を超える」と語った。