ソウルの風がますます弱まり、PM2.5の高濃度現象の主要原因に挙げられている。
風が穏やかになりながら大気停滞が頻繁になり、中国発粒子状物質と韓国内で発生した汚染物質がソウルからなかなか離れなくなったという分析だ。
10日、中央日報が気象庁ソウル観測所の風速値を分析した結果、ソウルの平均風速は2015年以降、ますます低くなっている。
昨年のソウルの平均風速は毎秒1.7メートルで、1918年の観測以降で最も低い数値を記録した。
100年ぶりにソウルに最も穏やかな風が吹いた。平年値(2.3メートル)と比較しても74%水準にとどまった。
歴代最悪のPM2.5汚染度を記録した先月14日も、ソウルの風速は0.9メートルで今年に入って最も低かった。当時、ソウルのPM2.5濃度は1立方メートルあたり129マイクログラム、1マイクログラム=100万分の1グラム)で、2015年PM2.5の公式観測を初めて以来の記録となった。
ソウルの粒子状物質汚染度の変化も風速と密接な関連性を示した。
韓国環境公団「エアコリア(Air Korea)」によると、ソウルのPM10濃度は2000年以降、徐々に減少していた。特に、風が強く吹いた2001~2004年と2010~2011年にPM10濃度が大幅に低くなった。
忠北(チュンブク)大学地球科学教育科のユン・デオク教授は「統計的に粒子状物質の濃度と気象要素を比較したところ、風の要因が大きく作用していることを確認した」とし「高濃度粒子状物質は2次生成の比重が大きいが、通風環境が良くなれば粒子状物質を作ることができず流れていくため」と説明した。
だが、2012年以降はソウルのPM10濃度は停滞状態だ。PM2.5濃度も23マイクログラム/立方メートル(15年)→26マイクログラム/立方メートル(16年)→25マイクログラム/立方メートル(17年)→23マイクログラム/立方メートル(18年)と目に見える改善を示していない。同じ期間、中国北京のPM2.5濃度は36%ほど減少した。
ソウルの空が晴れた日とそうでない日に分かれるPM10汚染の両極化はさらに深刻だった。ソウル25の自治区別に空気の状態が「悪い」以上(PM10濃度36マイクログラム/立方メートル~)の日数を分析した結果、2015年平均49日から昨年61日にむしろ20%ほど増加した。市民が体感する高濃度事例が増えたということだ。
このように北京の粒子状物質濃度が減少する一方でソウルの粒子状物質が悪化したのは風速などの気象要因が決定的な役割を果たしたという分析だ。
国立環境科学院のチャン・イムソク大気質統合予報センター長は「気象条件の恩恵を受けた中国北京と違って、韓国では2016年から大気の流れが遅くなって大気汚染に不利な条件が形成された」とし「国外粒子状物質が西の風に乗って国内に流入した後、ゆっくりと国内にとどまって高濃度が頻繁に発生する」と話した。
建国(コングク)大学融合人災学部のウ・ジョンホン教授(環境技術融合専攻)は「汚染物質が同一に排出されても、風が弱まれば粒子状物質濃度は高まる」とし「全体的な排出量は減っているが、気候のペナルティによって高濃度事例が作られたと考えられる」と説明した。
専門家は風が弱まった原因の一つに気候の変化を挙げている。地球温暖化で極地方の氷河が溶ければ極地方とユーラシア大陸の温度差が縮まるので風速減少と大気停滞を誘発するという。
中国東部地域の粒子状物質排出量が2100年まで変化がないとしても、気候変化によって風が弱まれば韓半島(朝鮮半島)の粒子状物質濃度は増加するという研究結果もある。
アジア太平洋経済協力(APEC)のイ・ウソプ気候センター上級研究員は「温暖化が進めば小さな大気汚染排出も高濃度粒子状物質現象につながりうるだけに、大気汚染排出低減の努力とあわせて温室効果ガスの排出量を減らすための努力が同時に必要だ」と述べた。
◇本企画物は韓国言論学会-SNUファクトチェックセンターの支援を受けました。
風が穏やかになりながら大気停滞が頻繁になり、中国発粒子状物質と韓国内で発生した汚染物質がソウルからなかなか離れなくなったという分析だ。
10日、中央日報が気象庁ソウル観測所の風速値を分析した結果、ソウルの平均風速は2015年以降、ますます低くなっている。
昨年のソウルの平均風速は毎秒1.7メートルで、1918年の観測以降で最も低い数値を記録した。
100年ぶりにソウルに最も穏やかな風が吹いた。平年値(2.3メートル)と比較しても74%水準にとどまった。
歴代最悪のPM2.5汚染度を記録した先月14日も、ソウルの風速は0.9メートルで今年に入って最も低かった。当時、ソウルのPM2.5濃度は1立方メートルあたり129マイクログラム、1マイクログラム=100万分の1グラム)で、2015年PM2.5の公式観測を初めて以来の記録となった。
ソウルの粒子状物質汚染度の変化も風速と密接な関連性を示した。
韓国環境公団「エアコリア(Air Korea)」によると、ソウルのPM10濃度は2000年以降、徐々に減少していた。特に、風が強く吹いた2001~2004年と2010~2011年にPM10濃度が大幅に低くなった。
忠北(チュンブク)大学地球科学教育科のユン・デオク教授は「統計的に粒子状物質の濃度と気象要素を比較したところ、風の要因が大きく作用していることを確認した」とし「高濃度粒子状物質は2次生成の比重が大きいが、通風環境が良くなれば粒子状物質を作ることができず流れていくため」と説明した。
だが、2012年以降はソウルのPM10濃度は停滞状態だ。PM2.5濃度も23マイクログラム/立方メートル(15年)→26マイクログラム/立方メートル(16年)→25マイクログラム/立方メートル(17年)→23マイクログラム/立方メートル(18年)と目に見える改善を示していない。同じ期間、中国北京のPM2.5濃度は36%ほど減少した。
ソウルの空が晴れた日とそうでない日に分かれるPM10汚染の両極化はさらに深刻だった。ソウル25の自治区別に空気の状態が「悪い」以上(PM10濃度36マイクログラム/立方メートル~)の日数を分析した結果、2015年平均49日から昨年61日にむしろ20%ほど増加した。市民が体感する高濃度事例が増えたということだ。
このように北京の粒子状物質濃度が減少する一方でソウルの粒子状物質が悪化したのは風速などの気象要因が決定的な役割を果たしたという分析だ。
国立環境科学院のチャン・イムソク大気質統合予報センター長は「気象条件の恩恵を受けた中国北京と違って、韓国では2016年から大気の流れが遅くなって大気汚染に不利な条件が形成された」とし「国外粒子状物質が西の風に乗って国内に流入した後、ゆっくりと国内にとどまって高濃度が頻繁に発生する」と話した。
建国(コングク)大学融合人災学部のウ・ジョンホン教授(環境技術融合専攻)は「汚染物質が同一に排出されても、風が弱まれば粒子状物質濃度は高まる」とし「全体的な排出量は減っているが、気候のペナルティによって高濃度事例が作られたと考えられる」と説明した。
専門家は風が弱まった原因の一つに気候の変化を挙げている。地球温暖化で極地方の氷河が溶ければ極地方とユーラシア大陸の温度差が縮まるので風速減少と大気停滞を誘発するという。
中国東部地域の粒子状物質排出量が2100年まで変化がないとしても、気候変化によって風が弱まれば韓半島(朝鮮半島)の粒子状物質濃度は増加するという研究結果もある。
アジア太平洋経済協力(APEC)のイ・ウソプ気候センター上級研究員は「温暖化が進めば小さな大気汚染排出も高濃度粒子状物質現象につながりうるだけに、大気汚染排出低減の努力とあわせて温室効果ガスの排出量を減らすための努力が同時に必要だ」と述べた。
◇本企画物は韓国言論学会-SNUファクトチェックセンターの支援を受けました。
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