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韓国経済、CPTPPを再飛躍のステップにすべき(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
◆韓国、粗雑な論理でCPTPP不参加

日本の参加でTPPが過去最大規模の自由貿易協定交渉になった2013年初めからCPTPPが発効した現在まで韓国政府の態度は消極的だった。韓国がTPP交渉に参加する機会の扉が開かれた2012年の李明博(イ・ミョンバク)政権の最後の年から2013年に発足した朴槿恵(パク・クネ)政権まで、韓国政府は韓国のTPP参加を中国の反対側に立つというフレームに自らを閉じ込めた。その結果、韓国の立場は悪化し、さらにTHAAD(高高度防衛ミサイル)国内配備に対する中国の報復も受けた。

2017年5月に発足した文在寅(ムン・ジェイン)政権にとってCPTPPはレーダー圏外にあった。文政権を含む歴代政権はTPPやCPTPPに参加しても実益が大きくないという点を不参加の理由にした。TPP、CPTPP参加国は日本とメキシコを除いて韓国とすでにFTAを締結しているということだ。このため韓国のCPTPP参加は日本とFTAを締結するのと変わらないという主張がある。


政府はCPTPPに参加するかどうかを昨年決めると明らかにしたが、年を越した。何が韓国政府をためらわせるのか。農産物と水産物の追加開放が負担となっている。経済状況も厳しい中、農漁村の反発を招く政治的な冒険を敢行するのは難しい。FTAを擁護してきた大企業も消極的だ。日本市場で惨敗した自動車分野は反対を明確にしてきた。「輸出は良く、輸入は悪い」という重商主義フレームで接近すれば、問題の本質は見えなくなる。

関税率でFTA交渉の有利不利を問いただせば、韓国より低い関税率の米国や欧州連合(EU)とはなぜ不利なFTAをしたのか説明がつかない。FTAは新しいゲームのルールを作ることだ。過去の歴史が未来の現実になるという「線形的」な思考では歴史の流れを変えることができない。資本・流通網を備えた先進国と競争すれば負けるという被害意識のままなら、今の韓流ブームは可能だっただろうか。国産映画の義務上映日数を減らせば韓国映画がつぶれると言っていたスクリーンクオータの場合、2006年に半分に減らしたが、韓国映画はさらに強くなり多様化した。

◆ニューノーマル時代の韓国の生存戦略を悩むべき

日本車が押し寄せてくるので韓日FTAに反対するというのは国内自動車業界には反対の論理になるかもしれないが、消費者と革新を考慮すべき政府当局者が口実にすることではない。自動車生産世界5位の韓国の消費者は、なぜ国産自動車を米国より高く購入しなければいけないのか不満を抱いている。長期間にわたり韓国市場を閉鎖して国産車だけを販売してきた結果、雇用継承に固執する労働組合や生産性を超越する超高賃金を招いたことに対し、消費者は怒りを表している。公正を叫ぶ時代の精神はどこにあるのか。

公正・革新を強調する政府なら、韓日FTAを恐れる理由はない。国内市場にさらに競争を取り入れ、国内価格のバブルを除けば、消費者の実質所得を増やすことができる。競争を促進して消費者主権を強め、生活の質を改善できるビジョンを込めてこそ、韓国は前に進むことができる。

言葉だけで「人間中心の経済」を叫んでも庶民の生活は良くならない。CPTPPを輸出機会の確保、経済領土拡張で包装すれば、それは決して勝つことができない戦いを始めることだ。包容的成長を渇望する時代の精神にも合わない。これまでの数多くのFTA締結にもかかわらず生活必需品の体感価格が下がらないことに対し、韓国の消費者は疑問を感じている。もう開放の恩恵は消費者に向かうようにしなければいけない。開放の効果を独占してきた中間流通段階に生じているバブルを取り除いてこそ可能だ。輸入製品と国産製品の競争、国産製品間の競争を消費者は強く望んでいる。企業も同じだ。公正な競争、競争の活性化があってこそ、創業の基盤が形成され、革新成長も始めることができる。

CPTPPに参加して韓日FTAを推進するのは、最悪の関係で放置されてきた韓日関係を新しい地平に引き上げる韓国の戦略的な選択だ。覇権を追求する中国の野心が具体化し、技術崛起で韓国の未来が脅かされているが、対策も立てずに傍観することはできない。新年、韓国のCPTPP参加議論は、輸出・輸入の有利不利を問いただす以上のものにならなければいけない。ニューノーマル時代、韓国の生存戦略を苦心する大きな絵と連係させてこそ、混沌とした時代に希望の未来を約束できる。文在寅政権は真実の門の前に立っている。

崔炳鎰(チェ・ビョンイル)/梨花女子大国際大学院教授/韓国国際経済学会会長/リセットコリア通商分科長



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