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WTO韓日法理攻防…韓国の「槍」はGATT「11条1項」など3つ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

世界貿易機関(WTO)ロゴマーク

明日から2日間開催される世界貿易機関(WTO)一般理事会を控え、韓国政府はWTO提訴の準備を加速させている。「WTO提訴は速かに準備するものの、時期は戦略的に判断する」(鄭升一産業通商資源部次官)というのが韓国政府の公式的な立場だ。

WTO紛争解決手続きに入ると、韓日両国は数年かかる最終決定まで激しい「法理争い」をすると予想される。対外経済政策研究院(KIEP)の報告書「日本の対韓国輸出規制強化に対する国際通商法的検討」によると、双方が激しく攻防する部分は「関税及び貿易に関する一般協定(GATT)」条文のうち5つの条項だ。うち3つの条項は韓国の「槍」として、2つの条項は日本の「盾」として使われる論拠となる見込みだ。

韓国が活用できるカードとしてはまず、加盟国が輸出許可などを通じて輸出を禁止または制限できないよう義務づけている「11条1項」が挙げられる。日本の輸出規制強化は事実上の輸出制限措置に該当する余地がある。こうした輸出制限行為は関税賦課よりも容易に貿易制限手段として悪用される恐れがあり、WTOが特別な例外でなければこれを禁止している。


日本は「輸出規制でなく個別輸出許可制に転換した」と反論すると予想される。これに対抗するためには、日本の規制で実際に韓国側の輸入物量が減少し、これが日本の措置によるものだという因果関係を立証する必要がある。

1条1項も韓国が活用できる。他国より不利な待遇を受けない最恵国待遇を規定した条項だ。日本は特恵を付与していたが普通の状態に戻すものであるため問題はないと主張する。しかし例外事由が存在しない限り特定国に特恵を与えていたが取り消すということも1条1項に背く。

WTO加盟国間で「一貫的かつ公平で合理的」な方式で通商関連制度・法案を用意すべきという10条3項も韓国に有利だ。日本が韓国だけを「ターゲット」にして制裁を加えたため、この条項を破ったと見ることができる。

一方、日本は21条で韓国に対抗するとみられる。21条はWTO加盟国が自国の必須の安全保障利益を保護するためにGATT上の義務を違反することができると規定している。この条項はその間、WTO紛争で他の条項を無力化させる最上級「カード」だった。このため米国政府は保護貿易主義を守るためにこれをよく活用してきた。

しかし日本はまだ国家安全保障を脅かすという点を証明するいかなる具体的な証拠も前に出していない。したがってむしろ日本が「逆風」を受けることもあるということだ。イ・チョンギKIEP副研究委員は「韓国政府は今回の輸出許可強化が事実上、韓国最高裁の強制徴用判決に対する報復措置として、また外交・政治的な摩擦を理由に賦課されたという点を集中的に主張すべき」とし「安倍首相が選挙の遊説で日本の公式立場の『国家安全保障脅威』とは合わない発言をしたが、WTO提訴時にこれを積極的に活用する必要がある」と助言した。

日本のもう一つの盾は、戦略物資輸出統制の実効性確保のための例外措置を認めた20条だ。しかし措置を取る前に利害当事国間の合意を出す努力をすべきという但書が付いているという点で、日本がこれを立証する責任が大きい。

韓国政府がWTOに日本を提訴すれば、まず両国間の協議が始まる。協議を通じて問題が解決されなければ、紛争調整手続きが始まり、最終決定まで2年以上かかるのが一般的だ。福島周辺水産物紛争の場合、日本の提訴から最終決定まで4年ほどかかった。WTOが韓国側の主張を認めても最終決定までは韓国企業の被害が続くという懸念が出る理由だ。明日から始まる一般理事会はWTO紛争解決手段とは別だ。

韓国政府はWTO提訴のほか▼二者・多者レベルの外交的議論▼対日本輸出制限、関税引き上げなど相応の措置を考慮できる。しかし相応の措置など「対抗作戦」は本格的な貿易戦争を引き起こすという点で慎重でなければいけないというのがKIEPの分析だ。

イ副研究委員は「持続的な二者・多者協議の要請を通じて、日本と外交的レベルで問題の解決に努力しなければいけない」とし「今回の事案はグローバルバリューチェーン(GVC)と連結した世界貿易全般に直接、間接的な影響を及ぼしかねないということを第3国に積極的に表明する必要がある」と助言した。



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