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【コラム】無実の人を罪に陥れる「最低賃金1万ウォン」、ごみ箱にぶち込め=韓国(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
経世済民の経典を勉強した人々は「阿鼻叫喚の状態」〔朴智元(パク・ジウォン)民主平和党議員〕がやってくるまでにすべき仕事があった。戦利品が必要な政治グループが乱暴な最低賃金引き上げという無理強いをしないように異議を唱えることだ。だが、いかなる努力の跡も見つけることができなかった。

韓国の最低賃金はすべての人々に同じ金額が適用される。他の国々は経済状態や使用者の支払い能力、勤労条件、生産性を勘案してさまざまな方式で差等をつけている。日本は地域別・業種別で適用が異なる。状態が良くなければ下げたりもする。米国・中国は地域別に差等をつけている。英国・フランス・ドイツ・オーストラリア・オランダは年齢別に適用している。

世の中のどのような制度も完全無欠ではない。地域別に差があれば、都市と農村間の賃金格差で農村の青年が都市に集まっていく。業種別に差等をつければ低賃金業種勤労者の賃金がさらに削られる場合もあるかもしれない。正解はない。試行錯誤を通じて副作用が少ない制度を作り出せばいい。韓国も今すぐ始めなければならない。


最近、経済成長と同じくらい賃金が上がったかどうかを巡って極めて一部の保守・進歩経済学者が実証分析資料を出しながら論争を繰り広げている。「今日、私たちが当面の問題」を扱うのはいいことだ。ところでなぜ今ごろ出たのだろうか。韓国の主流経済学教授は米国の著名学術誌に論文を載せるために昼夜問わず米国経済を研究する。それでこそ生存することができる。韓国経済の現実に目を閉じる彼らの祖国はどこなのか。魂のない官僚が権力の旗がはためく方向に政策を推し進める時、一流の経済学者の厳正な検証と批判が不在である理由だ。

文在寅(ムン・ジェイン)の友人、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領のエピソードだ。高等学校時代、親しい友人がパン一つ買って分け合って食べようというと、「半分ずつ食べれば2人とも腹が減るから君が全部食べろ。私は空腹には強い」と言った。あたたかい人間味と実質を重視する態度が表れている。彼が非難を押し切って相互尊重の政治のために保守野党に権力を譲り渡す大連合政府を提案したことは偶然ではない。世の中のことは自分が思ったように快刀乱麻式に解決できたりはしない。幸い文大統領も「もう保守・進歩のような古い二分法が通じない世の中だ。むしろ常識・実用、こういう線で判断しなければならない」と述べた。

最低賃金の呪縛は大統領が決断してこそ解決する。あきれるような「2020年1万ウォン」公約はすぐにごみ箱にぶち込むべきだ。最悪の現実を作り出しておきながら「韓国経済は成功に向かっている」という誤った認識を持たせた参謀は口を固く閉ざさなければならない。すべての判断基準は生きて息をしている現実だ。文大統領は阿鼻叫喚に陥った国民を救うという経世済民の覚悟を持たなければならない。

李夏慶(イ・ハギョン)/主筆



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