プラキオサウルスを前面に出した大型SUV「PALISADE」の広告。(写真提供=現代車)
労使が合意に到達できない間、損をするのは消費者だ。政府は今年6月まで個別消費税を引き下げる(5%→3.5%)。出庫の遅れによって、年初に契約したとしても下半期に受け取り予定の消費者は税金引き下げ恩恵を受けることはできない。
古臭い団体交渉制度も長年の宿題だ。現代車労組は使用側のPALISADE増産に積極的な立場だと言われている。だが、使用側は蔚山第4工場の1時間あたりの標準生産量(UPH)を拡大する方案を提案さえできなかった。UPHを高めるには労働強度が強くならざるを得ないからだ。現代自動車団体協約第41条は「作業工程の改善や人材転換配置計画を樹立する時は労使共同委員会が審議・議決する」と規定している。
部品需給体系でも弱点が明るみになった。PALISADEプレステージトリムに装着する20インチタイヤはもともとミシュランタイヤが供給していた。だが、タイヤの供給がスムーズにいかなくなると、現代車は一歩遅れて同クラスのブリヂストンタイヤも投じることを決定した。
現代車に対する消費者の否定的な認識も相変わらずだ。一部のオンライン自動車コミュニティはエンジンルームに雨水が流入する現象を指摘している。だが、エンジンルームに雨水が流入する現象そのものは製作ミスと見るのは難しい。ただし、これによって電子装備が誤作動を起こす場合が問題だ。現代車の説明にも消費者は疑いを晴らすことができずにいる。背景には現代車の品質に対する根深い不信が巣食っている。
現代車はPALISADEの事前広告モデルに恐竜を選んだ。子どものころに夢見た「自分だけの領域」を象徴しながら、PALISADEの空間性も表現することができるという理由からだ。このような順調な売れ行きはPALISADEは大型SUVの恐竜としてその足場を固めていく雰囲気だ。だがPALISADE事態の裏面にある慢性的な恥部を治療しないままなら、現代車は恐竜のように絶滅してしまうかもしれない。
【現場から】現代車は自動車産業の恐竜か、絶滅危機種か(1)
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