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追い込まれた金正恩委員長…北朝鮮経済が揺れている(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
それでも北朝鮮経済専門家の間で解けない謎は、北朝鮮市場の為替レート・コメ価格・原油価格が安定を維持している点だ。国際制裁にもかかわらず、為替レートは1ドル=8000ウォン水準、コメは1キロあたり5000-6000ウォン、ガソリンは1キロあたり1万6000-1万8000ウォン水準で推移している。専門家は2つの解釈を示している。まず、国際制裁で商品の供給が減っただけに所得の減少で市場の需要も減ったという分析だ。しかしこれよりも説得力のある解釈は、北朝鮮が保有外貨を取り崩して生活必需品を輸入し、市場に供給しているということだ。実際、北朝鮮の対中貿易赤字は2017年から2年連続で20億ドルを超えている。しかしこうした構造は持続不可能だ。外貨が枯渇して北朝鮮経済が深刻な危機を迎えるのは時間の問題だ。

北朝鮮は労働新聞を通じて「水と空気さえあれば生きていける」と主張する。「一滴の油、1ワットの電気、セメント1グラム、木片一つも大切にしよう」と忍耐の生活に入る雰囲気だ。しかし金正恩委員長が示唆した「新しい道」は非常に危険な選択だ。核・ミサイル試験を再開する場合、対北朝鮮制裁はさらに強まり、中国の水面下の協力さえも得るのが難しくなる。仲裁者を自負する文在寅(ムン・ジェイン)政権も困難な状況を迎える。

一方、米国のトランプ大統領は「すでに北朝鮮は相当な苦痛を受けている」とし「1年後には分かるはずなので見てみよう」という立場だ。「取引の達人」にふさわしく相手の首をしめながらも「私と金正恩委員長の関係は非常に良い」という甘いコメントで退路までも遮断した。


金正恩委員長が追い込まれている状況だ。

時間は金正恩委員長の味方ではない。「制裁効果=制裁の強度x時間」であるからだ。国連制裁委員会の報告書のように、北朝鮮も洋上で違法に積み荷を移し替えるなど、あらゆる方法で封鎖網をかいくぐっている。しかし北朝鮮の命綱の無煙炭は密輸出するには体積があまりにも大きくて重い。船や鉄道に移す場合、偵察衛星にそのまま露出するのが致命的な弱点だ。さらに化学原料の輸入不足で肥料の生産が急減し、食糧難もまた深刻になっている。最近、北朝鮮の対南関係者は「5、6月にまくには4月末までには入ってこなければいけない」とし、肥料の支援を要求しているという。

今回の対北朝鮮制裁の衝撃波は対中貿易に寄生してきた北朝鮮の特権層から始まっている。数十億ドル規模の金正恩委員長の統治資金も急減するのは明らかだ。一方、過去の「苦難の行軍」で集中的に犠牲になった北朝鮮の庶民の場合、400カ所以上の市場のおかげで極端な危機は避けている。しかし全方向からの経済封鎖とマイナス成長の中で持ちこたえる商売ない。ハノイでトランプ大統領は金正恩委員長の急所を看破した。中国の手足を縛っておきながら最大限の経済圧力で北朝鮮の首を絞め始めた。為替レート・コメ価格を除いた北朝鮮市場の小麦粉・砂糖・食用油の価格は急速に上がっている。

昨年末まで国内の民族解放(NL)陣営は「平壌を訪れてみると電力事情も良くなり暖房も問題がなかった」と称賛を繰り返してきた。対北朝鮮制裁は効果がないという宣伝だったが、内部の事情は正反対だった。北朝鮮の無煙炭の輸出がふさがったため内需用に回し、しばらく電力と暖房の事情が良くなっただけだ。むしろ平壌の夜が明るくなり北朝鮮の幽霊漁船が消えたことから、北朝鮮経済の断末魔的な苦痛を読み取るべきだろう。そのためか、最近NL陣営の人たちは立場を変えて、「経済制裁こそ善良な住民を死に追い込む最も悪い大量破壊兵器」と非難し始めた。これは対北朝鮮制裁で北朝鮮経済がそれだけ厳しくなっているということと変わらない。

イ・チョルホ/中央日報コラムニスト



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