トランプ米大統領が2月16日(現地時間)、「Make America Great Again」と書かれた帽子をかぶりながら共和党のリック・スコット上院議員(フロリダ州)と対話している。 [AFP=聯合ニュース]
ワシントンポスト(WP)は1日、「トランプ大統領は2025年の選挙に自信がない」と題した記事で「トランプ大統領は今回の選挙を控えて競合州で演説をしていない」とし「一部の共和党候補とは距離を置いていて、火曜日の選挙に対して悲観的な立場を見せている」と報じた。実際、トランプ大統領は今回が選挙の最後の週末にもかかわらず遊説の現場に姿を現さなかった。ただ、バージニア州選挙で再任に挑戦するジェイソン・マイヤレス現州法務長官に対してのみ公開的に支持を表明した。マイヤレス氏は今回の地方選挙で共和党所属候補のうち唯一勝利する可能性があるとみる人物だ。
トランプ大統領のこうした消極的な動きはニューヨーク市長選のゾーラン・マムダニ民主党候補(33)を脅迫してきた過去の動きとは対照的だ。これに先立ちトランプ大統領は「100%共産主義者の狂人」「マムダニが当選すればニューヨーク市の連邦資金支援を中断する」などと非難を浴びせた。「不法滞在者」という陰謀説にまで言及したが、ニューヨークタイムズ(NYT)は「マムダニ氏は7歳だった1998年からニューヨークに居住し、2018年に米国に帰化した」と一蹴した。
トランプ大統領の立場の変化は民主党の優勢で共和党の敗北が予測される中で出てきた。先月30日のエマーソン大の調査によると、マムダニ候補が50%の支持率で1位となり、無所属のアンドリュー・クオモ元ニューヨーク州知事(25%)、共和党のカーティス・スリワ候補(21%)を抑えた。29日に発表されたマリスト大の世論調査とキニピアック大の調査でもそれぞれ48%と43%の支持率で1位だった。選挙専門家らは「すでに多くの有権者が事前投票を終えただけに、異変がない限りマムダニ氏の勝利が確実視される」と話している。ニューヨーク市選挙管理委員会によると、8日間に計58万人以上が投票したという。
バージニア州とニュージャージー州の知事選挙の支援には民主党の次期大統領候補に挙がる政治家が多数参加した。
このためトランプ大統領の沈黙は敗北の責任を避けるための戦略的後退と解釈されている。選挙の勝利など成果がある場合は最後の瞬間にでも介入して自らの手柄にする傾向を見せたトランプ大統領の特性上、政治的な損失を最小化しようとするということだ。WPは「『負けるのが明らかな候補』を前に出して自身の政治的資産を浪費しないため」と指摘した。
一方、オバマ元大統領は積極的な姿を見せている。オバマ氏は最近、マムダニ氏に電話をかけ、「選挙後にも助言者になる」と激励したと、NYTは伝えた。民主党の勝利が予測されたニュージャージー州とバージニア州の民主党候補の遊説にも参加したという。オバマ氏は1日、バージニア州ノーフォークでの演説で「このホワイトハウスは毎日、無法と無謀、意地、狂気を見せている。今回の選挙は単なる地方選挙でなくトランプ時代の方向を決めるものになる」と主張しながら支持を訴えた。
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