李在明大統領が25日、ホワイトハウスでトランプ米大統領と会談しながら笑っている。[写真 大統領室写真記者団]
トランプ大統領だけでなく普段批判的だったメディアが肯定的な評価を出すほどこの日の首脳会談は一貫して和やかな雰囲気で進められた。ただ首脳会談のうち笑いと冗談を混ぜながら投げかけたトランプ大統領の発言のあちこちにしっかりとかみしめなくてはならない問題が隠れているとの評価が出ている。
◇突出した新たな要求…「在韓米軍の土地譲れ」
トランプ大統領はこの日、在韓米軍縮小の可能性に対する質問を受けると「それをいま言いたくない。私たちは友人のため」としながら回答を避けた。
そして「韓国は(敷地を)米国に与えたものでなく貸しており、譲渡と賃貸は完全に違う。私がしたいことのひとつは、われわれが持っている大きな基地の土地所有権を譲れと要請すること」と話した。トランプ大統領は韓国を「マネーマシン」と呼んで防衛費分担金の大幅引き上げを要求してきたが、土地の所有権を譲れと話したのは初めてだ。
韓米間の合意で米軍基地の敷地は韓国が返還を前提に米国に貸すということを明確にしている。憲法上規定された領土の一部を外国に事実上譲渡することと変わらないとの批判に直面しかねない。もし推進しても国会批准などを経て両国が結んだ韓米駐留軍地位協定(SOFA)を全面改正しなければならない。
また、韓半島(朝鮮半島)に米軍が所有する基地ができる場合、2016年に慶尚北道星州(キョンサンブクド・ソンジュ)に高高度防衛ミサイル(THAAD)システムを配備した時とは比較できないほど中国が反発する可能性が大きい。
李大統領は米軍部隊敷地を譲れというトランプ大統領の言及に対しこの日は何の対応もしなかった。この発言が会談でトランプ大統領が突出的にしたものなのか、事前に双方で最小限の協議を経たのかどうかは不明だ。
◇「韓国の指導者の北朝鮮アプローチは不適切」
トランプ大統領はこの日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と「年内に会いたい」とし、北朝鮮との対話再開の意思を明らかにした。特に「非核化はとても大きな目標。ロシアは非核化をしようとし、中国もしようとするものと考える。核兵器が拡散するように放っておくことはできない」と話した。
ロシアと中国との核軍縮を強調した話ではあるがトランプ大統領のこうした言及はこれまで朝米会談再開に対する懸念をある程度払拭した。トランプ政権で朝米会談の目標を非核化でなく、北朝鮮を核保有国と前提にした状態でアプローチする軍縮交渉に進みかねないとの懸念があった。
李大統領はトランプ大統領の発言に対し「私の関与で南北関係がうまく改善されるのは容易でないが、実際にこの問題を解決ができる唯一の人物はトランプ大統領。大統領が『ピースメーカー』をするならば私は『ペースメーカー』として懸命にサポートする」と話した。
「在韓米軍の土地譲れ」…トランプ大統領の笑いに隠れた「悪魔の取引」(2)
この記事を読んで…