韓国と米国の関税交渉が妥結した31日、ソウル駅の待合室で、ある市民が関連ニュースを視聴している。[写真 聯合ニュース]
この日の交渉状況に詳しい消息筋は中央日報に対し、「韓国は関税交渉の初期からパッケージディール戦略を推進したが、米国はこれを受け入れず、個別にアプローチすることを望んだ」と語った。別の関係者も「当初は米国もパッケージディールに共感していたが、交渉の過程で立場が変わったようだ」と説明した。
韓国政府は当初、「貿易・通商・安全保障・同盟を包括する総合的な協議」〔魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長、先月20日〕を基本方針としていた。韓国の安全保障能力などを考慮すれば、このようなアプローチが他国に比べて比較的に有利だとの判断だったが、米国はこれを受け入れなかった。実際、一時はパッケージディールを意味する「ワンストップ・ショッピング」という表現を用いた(4月の韓悳洙首相代行との通話後)ドナルド・トランプ大統領だったが、最近の日本との関税交渉妥結時も、防衛費問題には言及しなかった。関税をきっかけに同盟問題を浮上させつつ、実際の交渉ではそれを分離して扱う方が、より多くを引き出せると判断したようだ。
トランプ氏はこの日、SNS「トゥルース・ソーシャル」で「2週間以内に李在明(イ・ジェミョン)大統領がホワイトハウスを訪問して首脳会談を行う」と予告しており、安全保障の議題は首脳会談のテーブルに上がり、共同声明などの成果物に反映される可能性が高い。金容範(キム・ヨンボム)大統領室政策室長もこの日のブリーフィングで「安全保障などは韓米首脳会談で議論されることになるだろう」と述べた。
これは、在韓米軍の規模や役割の変更、防衛費増額などを含む、いわゆる「同盟の近代化」協議が首脳会談の議題調整の過程などで本格化するという意味でもある。トランプ政権は、在韓米軍を北朝鮮の核抑止だけでなく、中国牽制の軸として再編し、韓国の防衛費を国内総生産(GDP)比5%水準まで引き上げるべきとの立場を取っている。この日、ワシントンで行われた趙顕(チョ・ヒョン)外交部長官とマルコ・ルビオ長官の初会談でも、首脳会談の日程と議題の調整が行われたとみられる。
トランプ氏がこれまでに何度も「100億ドルは出せ」と主張してきた在韓米軍の駐留費用、すなわち防衛費分担問題を首脳会談で直接提起する可能性も高い。2018年9月の韓米首脳会談直後にも、「なぜ我々が支払っている費用(防衛費)を補償してくれないのか」と、当時の文在寅(ムン・ジェイン)元大統領に直接問いただしたと明らかにしている。
特に、韓米首脳会談が2週間以内に開催されれば、8月第2~第3週に予定されている韓米連合訓練「乙支フリーダム・シールド(UFS)」と時期が重なる可能性がある。トランプ氏はこれを「莫大なお金を節約できる戦争演習」(2018年6月12日の米朝首脳会談後の記者会見)と呼び、連合訓練の費用問題にもたびたび言及してきた。
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