13日(現地時間)、米テキサス州カー郡カーヴィルのグアダルーペ川に洪水被害者のための仮設追悼碑が設置されている。[写真 AP=聯合ニュース]
今年、米国では大雨による洪水被害が相次いだ。最も被害が大きかったテキサス州では、今月4日(現地時間)に一晩で最大300ミリという猛烈な雨が降った。これにより少なくとも130人が死亡し、100人余りが行方不明となった。同月、ニューメキシコ州ルイドソでは、雨が降ってから数分もせずに川が氾濫し、3人が死亡した。
気象学者は、今夏は「100年に一度」「1000年に一度」レベルの大雨が同時多発的に発生していると話す。今月16日から韓半島(朝鮮半島)に降っている大雨も、200年に一度の降水量だった。米ペンシルベニア大学のマイケル・マン教授は、「もともと『1000年に一度』というのは、地球温暖化がなかったときの発生確率を意味する」とし、「地球温暖化のためにこのような事象がはるかに頻繁に発生している」とCNNの取材に語った。
テキサスに降った大雨は、メキシコ湾の海水温の上昇が原因とされている。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の気候研究者ダニエル・スウェイン氏は、「夏の間ずっと異常に暖かかったメキシコ湾と大西洋西部からの湿った空気が北上し、ロッキー山脈の東にある米国全域のあらゆる大気層で異例の高湿度が形成された」と説明した。
◇「地球温暖化、予測を困難にする」
昨年10月、スペインでも大雨で200人以上が死亡した。スペイン気象庁によると、バレンシア地域のチーバでは8時間で1年分の雨が降り、史上最悪の洪水が発生した。主要道路や地下鉄が浸水し、セビリアやマラガなど南部地域でも被害が大きかった。
気象学者は、突発的な寒波と地中海の暖かい海水が出会って強力な雨雲が形成され、暴風がその雨雲をスペインに運んだと分析した。さらに、地球温暖化が暴風をさらに強力にしていると指摘した。昨年の地中海の海水温は28.9度で、過去最高だった。ルーマニア、ポーランド、チェコ、オーストリアなどでもこれによる大雨で20人余りが死亡した。
大気の振幅が大きくなる「大気共鳴」現象が、大雨の予測を困難にするという主張もある。大気上層部のジェット気流で大気共鳴が発生すると、大雨が数週間にわたって長期化する可能性がある。マン氏は、「20世紀中盤以降、夏季にこのような気象パターンの発生率が3倍に増加した」とし「これは極端な気象現象に対する予測の不確実性を高める」と話した。
一方、ドナルド・トランプ米国政府は、これまで中断していた洪水リスク予測プログラムの開発を再開したとCNNは報じた。これに先立ち、トランプ政権は数百人の気象予報官を解雇するなど人員削減と予算削減を推進し、その結果被害を拡大させたとの批判を受けていた。
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