14日(現地時間)、米ワシントンD.C.のホワイトハウス執務室で行われた会談で、北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長(左)が米国のドナルド・トランプ大統領と握手している。[写真 EPA=聯合ニュース]
トランプ大統領は14日(現地時間)、北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長とホワイトハウス執務室で会談し、ウクライナ国民の「勇気」と欧州の「精神」を高く評価した。ルッテ氏は、米国製の武器を欧州に販売し、それを欧州がウクライナに渡すという方式を受け入れたほか、50日以内にロシアが停戦に合意しなければ、ロシアおよびその貿易国に対して100%の関税を賦課すると警告した。
これは、わずか5カ月前、同じ場所でウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領を叱責し、就任以来一貫して欧州に批判的だったトランプ氏の立場とは対照的だ。ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、これを「トランプの仲介外交の急変」と評価した。
この変化の背景には、トランプ氏が数カ月にわたって進めてきた停戦および和平協定の推進が、かえってロシアの反発と攻勢拡大を招いたという事情がある。なにより、親密な関係を続けてきたロシアのウラジーミル・プーチン大統領への失望も作用したと見られる。実際、トランプ大統領はNATO首脳との会談前に閣僚に対して「プーチンから馬鹿げたことばかり聞かされている」と述べたとNYTは伝えており、自身が利用されていたとの認識が反映されたものと解釈される。
米国国内の世論も影響を与えた。ハーバード大学米国政治研究センター(CAPS)と世論調査機関ハリス・ポールによる世論調査(6~8日、誤差範囲±2.2ポイント)では、有権者2044人のうち60%が「トランプはプーチンに対して十分に強硬ではない」と回答した。民主党支持層の73%、中道層の58%、共和党支持層の48%が同様の評価をした。「トランプ大統領の仲介外交に満足していない」と答えた人も過半数(53%)に達した。
こうした状況の中で、トランプ氏は欧州と手を取り、ウクライナの防衛戦略を支持し、対ロシア強硬対応に乗り出したとみられる。特に今回は、直接的な介入ではなく間接的な支援を通じて負担を軽減しようとする姿勢がうかがえる。トランプ氏はこの日の会談で、今回の戦争を「バイデンの戦争、民主党の戦争」と繰り返し呼び、距離を置こうとする意図の発言をしたとポリティコは伝えている。NYTも「トランプは戦争と一定の距離を保とうとする戦略」と分析した。
しかし、この変化が持続可能かどうかは不透明だ。上院外交委員会の民主党幹事ジーン・シャヒーン上院議員(ニューハンプシャー州)は、最近NYTのインタビューで「(トランプが)プーチンに利用されていたことを今になって認識したようだ」としつつも、「(変化した立場が)どれほど長く続くかは不確かだ」と話した。
ロシアも、トランプ氏の制裁案を重要視していない様子だ。ロシア連邦会議(上院)国際問題委員会のコンスタンチン・コサチェフ委員長は、「トランプの言葉は戯言だ」「50日以内に心変わりする可能性がある」と述べたと、タス通信が報じた。トランプ氏が立場を簡単に変えるかもしれないという期待感が反映されたかのように、発表直後、国際原油価格は2%以上下落し、モスクワ証券取引所は2.5%上昇したことが明らかになった。
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