インフレ圧迫の中で支持率が下落して中国と「関税停戦」を結んだドナルド・トランプ大統領の立場で、米国人の不満を相殺する減税など庶民のための費用削減対策が切実になったのではないかとの解釈が出ている。

◇「反対すれば議員職アウト」…議員の面前で８回「猛非難」


トランプ氏はこの日非公開で共和党下院議員総会に出席して暴言を交ぜながら「メディケイドはさわるな」と話したと米議会専門メディア「ザ・ヒル（Ｔｈｅ　Ｈｉｌｌ）」などが伝えた。メディケイドは低所得層のための医療保険で、共和党内の強硬派グループ「フリーダム・コーカス」は政府支出の大幅削減が必要だとし、メディケイド予算の追加削減を要求している。


トランプ氏はこの日、議員総会出席に先立ち記者団に対して「我々が削減する唯一のことは詐欺と浪費、乱用（予想）」としながら「いかなる意味ある予算も削減しない」と話した

非公開で行われた会議では減税のために避けられない前提条件である政府負債を増やす法案に反対しているトーマス・マシー議員（ケンタッキー・共和）に言及して「彼は政府を理解できない目立ちたがり屋」としながら「彼は議員職からアウト（ｏｕｔ）しなければならない」と主張した。マシー氏はＣＮＮとのインタビューで「非公開議員総会でトランプ氏が私を８回にわたって非難した」と伝えた。

◇「控除限度引き上げは民主党だけが得」

反対性の要求も直接抑え込んだ。彼はＳＡＬＴ（Ｓｔａｔｅ　Ａｎｄ　Ｌｏｃａｌ　Ｔａｘ・連邦および地方政府税金）控除限度を高めなければなければならないと主張するニューヨーク・ニュージャージー・カリフォルニア地域共和党議員に対して「該当の州は民主党州知事がいる所で、（限度引き上げは）民主党だけが得すること」としながら「（要求を）止めろ」とした。

ＳＡＬＴ控除限度は本来無制限だが、２０１７年トランプ１期政府の時に納税者１人あたり１万ドル（約１４４万円）に制限された。当時トランプ氏の税金政策はカリフォルニアなど税金が高い民主党基盤地域に直接的な打撃を与え、民主党は「政府が税金政策を差別的に使っている」と批判した。

トランプ氏は大統領選挙の時に民主党基盤地の投票者を意識し、自ら作ったＳＡＬＴ控除限度を撤廃する意向を明らかにした。しかし当選後、法案を作る過程で控除限度を３万ドルに制限した。この日トランプ氏が党内の控除限度引き上げ要求に対して「民主党だけが得する」と話した背景は公約を最小限履行するが、民主党地域の住民に対する恩恵を最小化するという意図と解釈される余地がある。


「お前は目立ちたがりか？　議員職アウトだ」…トランプ氏、暴言で減税反対派を抑え込む（２）