国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中のバッチ・ウィルモア氏(上)とサニ・ウィリアムズ氏。[写真 NASA]
287日ぶりに地球に戻った米国航空宇宙局(NASA)所属の宇宙飛行士バッチ・ウィルモア氏とサニ・ウィリアムズ氏は、NASAの有人宇宙飛行を総括するヒューストンのジョンソン宇宙センターで健康診断を受けている。
9カ月間重力がほとんどない宇宙船空間で生活した二人の宇宙飛行士は9カ月前と完全に変化した姿で帰ってきた。特にウィリアムズ氏は1年も経たないうちに数年の老化を体験したような姿だった。ウィリアムズ氏は昨年6月地球を離れる当時、長くて深い茶色の髪の毛だったが、帰還した彼女の髪の毛は白く変わっていた。顔は目に見えてげっそりし、地球を離れる当時に比べてシワも深くなり目立っていた。
専門家は、宇宙で予定された期間よりも長期で滞在しなくてはならない状況に遭遇したストレスがウィリアムズ氏の髪の毛を白く変えたのではないかと説明する。一般的にストレスによって生成されるコルチゾールやアドレナリンなどは黒髪を維持させるメラニン生成幹細胞の枯渇を促進することが分かっている。
英国サウスウェールズ大学の人間生理学専門家、ダミアン・ベイリー教授はBBCに「宇宙は人間が経験した中で最も極限の環境」としながら「人間はまだ極限状況を処理するようには進化できていない」と説明した。
一方、ウィルモア氏とウィリアムズ氏は米国ボーイング社の宇宙カプセル「スターライナー」に乗って試験飛行を行ったが、同カプセルからさまざまな欠陥が見つかって足止めされ、図らずもISSに長期滞在することになった。NASAは宇宙飛行士の安全問題を理由に彼らをスターライナーに乗せないでカプセルを無人状態で帰還させたが、このため彼らの帰還日程は突然数カ月延期されることになった。ISS任務交代チーム「クルー10」の宇宙飛行士が最近ISSに乗船し、彼らはようやく地球に戻ることができた。
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