ドナルド・トランプ米大統領が１３日（現地時間）、「相互関税４月２日強行」の意志を繰り返し確認した。しかし、米国の景気低迷を懸念する声が高まり、トランプ政権の中核実力者であるイーロン・マスク氏が保有する電気自動車メーカーのテスラも、関税政策に対する懸念を表明したというニュースが伝えられるなど、批判的な世論が高まっている雰囲気だ。

トランプ大統領は１３日、ＮＡＴＯ（北大西洋条約機構）のマルク・ルッテ事務総長との歓談行事で、「アルミニウム関税と４月２日に計画した（相互）関税に変化の可能性はあるか」という取材陣の質問に、「いや、そのようなことはない」と一蹴した。続けて「私たちは数年間ぼったくられ、これ以上やられはしない」とし、「アルミニウムであれ、鉄鋼であれ、自動車については曲げない」と述べた。

◇「多少の混乱はあるだろうが、長くはない」


トランプ大統領は自身の関税政策について「多少の混乱はあるだろうが、それほど長くはないだろう」と自信を示した。前日の関税政策に一貫性がないという指摘については「一貫性がないのではなく、柔軟なのだ。４月２日以降は柔軟性はほとんどないだろう」と述べたことと同様の脈略だ。スコット・ベセント米財務長官も「ジェットコースター関税」とかみ合った株式市場の急落傾向に関して、この日のＣＮＢＣインタビューで「この３週間の小さな変動性に憂慮しない」とし「私たちは中・長期に集中している」と強調した。

トランプ大統領は激しい「関税戦争」を繰り広げているカナダと欧州連合（ＥＵ）に対して露骨な反感を示した。カナダについては「カナダは米国を必要としているが、米国は彼らのエネルギーも木材も必要ではない」とし「とにかく私たちの最も偉大な州の一つになるだろう」と述べた。

ＥＵについては「私たちは彼らの一方通行路と同じだ」とし、「ＥＵは非常に意地悪だ」と非難した。特に、これまで数回言及してきたデンマーク領グリーンランド併合構想に対する質問に「私はそうなると思う」とし、「私たちは国家安保のために、国際安保のためにそれを必要とする」と答えた。ＮＡＴＯの首長が隣にいる場で、ＮＡＴＯの集団防御対象に含まれているグリーンランド併合への意欲を隠さず示したのだ。

ルッテ事務総長は、「米国のグリーンランド合併推進と関連したいかなる質問にも関与しない」とし、答弁を避けた。ただし、「ロシアを除く７つの北極国家が米国の指導力の下で協力することが地域安全に非常に重要」と述べた。

◇韓国通商交渉本部長「相互関税採点基準の把握を優先」

トランプ政権の「関税空襲」の中で産業通商資源部の鄭仁教（チョン・インギョ）通商交渉本部長は１３～１５日、米国貿易代表部（ＵＳＴＲ）のジェミソン・グリア代表をはじめとする主要な通商関係者や議会・業界関係者などと面談する。１３日、ワシントンＤＣに到着した鄭本部長は「韓国の戦略的利点を米国側と議論しながら互恵的措置を要請する計画」と述べた。続けて「相互関税は国家と品目によってかなり変わらざるを得ない」とし、「試験的に計算すると、それなりの採点基準があるはずなので、まずそれを把握し、その基準に合うように直すところは迅速に直し、説得すべきところは説得しなければならない」と述べた。

また、鄭本部長は「米国が１次で４月２日に自主判断による国別・品目別関税率を発表する可能性があるが、その時に発表するとしても最終ではないだろう」とし「結局は個別国家と交渉するほかないだろう」との見方を示した。４月２日、相互関税率策定の可能性に備えた説明資料を米政府に提示するとしたためだ。

◇「マスク氏のテスラも関税憂慮を表明」

トランプ政権の高率関税政策で、米国内の自動車業界で部品調達費用の同伴上昇を懸念する声も高まっている。こうした中、マスク氏のテスラも懸念を表明したという。ブルームバーグ通信などによると、テスラは１１日、グリアＵＳＴＲ代表に送った書簡で「米国の輸出企業は、他の国々が米国の貿易措置に対応する際、本質的に不均衡な影響にさらされる」とし、「関税政策が輸入依存度の高い電気自動車やバッテリー供給網に及ぼす影響を考慮してほしい」と要求した。マスク氏が政府効率省（ＤＯＧＥ）を率いて連邦政府構造調整の刀を振り回しているが、「トランプ関税」で自身が経営するテスラも打撃を受ける状況を迎えたわけだ。

一方、ロイター通信は「ゼネラルモーターズ（ＧＭ）のメアリー・バーラＣＥＯがトランプ大統領に会い、６００億ドル（約８兆９０７６億円）の投資計画について議論した」と伝えた。トランプ政権が１２日から発効した外国製の鉄鋼・アルミニウム２５％関税で、米国内の自動車業界の負担が大きくなっている状況のためだ。米国内の完成車メーカーは、投資計画を立てる前に関税政策と車両排気ガス排出政策がどうなるかについて不確実性の解消が必要だという意見をホワイトハウスに伝えたという。

経済悪化を懸念する米国人が増えているという調査結果も出た。エコノミストが世論調査業者ＹｏｕＧｏｖに依頼して９～１１日、未成年者１６９９人を対象に実施した世論調査で回答者の４８％は「米国経済が悪化している」と答え、「経済が良くなっている」という回答は１９％に留まった。また、回答者の７０％は関税が上がれば消費者物価も上がると予測した。キニピアック大学が６～１０日に１１９８人を対象に実施し、１３日に公開した調査ではトランプ大統領の経済政策について「支持しない」という回答が５４％で「支持する」という回答（４１％）より多かった。