北朝鮮の国旗
これは核兵器の高度化とは別に、ロシアへの大規模な砲弾輸出などで通常戦力で韓国との格差が開いているという判断のためと考えられる。韓国国防研究院(KIDA)のイ・サンギュ研究委員は「朝ロ軍事協力で砲弾輸出などによる通常戦力の空白が発生し、防御ライン構築レベルの対戦車防壁の設置が必要だったとみられる」とし「これは北が従来の攻勢的な軍事戦略から防御を強調する守勢的な戦略への変化の可能性を意味するものかもしれない。軍事作戦計画変更の可能性もある」と分析した。
実際、ウクライナ・韓国国防部など国際社会は北朝鮮が122ミリ、152ミリ砲弾のほか、地対空ミサイルのような精密通常兵器までロシアに輸出していると推定している。政府関係者は「北が僻地に備蓄された砲弾まで集めてロシア輸出物量に合わせているとみられる」と話した。正確な数値を確認するのは難しいが、情報当局は北朝鮮が生活必需品工場などまで総動員する場合、砲弾を最大約200万発近く(年間)生産できると推定している。数百万発をロシアに送れば北朝鮮の戦争持続実行能力に「穴」が生じるのは避けられないということだ。
北朝鮮が最近、非武装地帯(DMZ)軍事境界線(MDL)付近に高さ4、5メートルの対戦車防壁を構築するのもこうした背景のためとみられる。MDL付近では土壌平坦化作業と同時に地雷の埋設も進めている。韓国軍の合同参謀本部の関係者は「亡命、越南などを遮断するための内部統制用であり、有事の際、我々の対応を念頭に置いた措置とみられる」と発言した。
統一研究院のホン・ミン選任研究委員は「北が最近『戦争準備』を強調しながら核・ミサイル戦力を強調するのも、通常戦力の劣勢を隠そうとするものであり得る」と強調した。
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