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【コラム】日本「100年安心年金」、韓国はなぜできないのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国は30年しか耐えられないが日本は90年経過してもびくともしない。韓国国民年金と日本厚生年金の交錯した未来展望だ。日本の未来世代は少なくとも2115年までは厚生年金に積み立てられた資金について心配しなくてもよい。この世に生まれると同時に莫大な年金の負債を抱え込まざるを得ない韓国の未来世代とは対照的だ。日本にも問題は山積しているが、少なくとも年金財政の安定性という側面では韓国の完敗だ。

現行通りであれば韓国の国民年金は破綻を避けられない。昨年3月、政府は第5次国民年金財政計算結果を発表した。国民年金法に基づき5年に一度計算している。これを見ると、国民年金基金は2041年に赤字に転換して2055年には完全に底をつく。2018年に発表した第4次財政計算と比較すると基金枯渇時点は2年前倒しになった。出生率が予想以上に低下した場合や経済成長率が期待に及ばない場合、2055年まで耐えられないかもしれない。その後は天文学的な国家負債を抱え込むか莫大な税金を徴収する以外にこれといった代案が見つからない。

日本も5年ごとに年金財政計算結果を公開している。2019年に発表した資料を見ると、2115年まで厚生年金積立金は底をつくということはない。日本は基本的に100年の財政均衡期間を設定して年金を管理している。今後100年間年金の支給には問題ないから安心しろというメッセージを国民に送っている格好だ。公的年金の安定的管理で国民に信頼を与えるのは国家として当然の責務だ。今年8月には新しい年金財政計算結果が発表される予定だ。


日本の年金財政が韓国に比べてはるかに安定している理由は単純だ。一言で日本の人々は韓国より「たくさん出してそれほど受け取らない」ためだ。2004年小泉純一郎首相時代に社会的合意で成立した年金改革が土台となっている。

日本の公的年金は2層構造で、韓国と似ているが細部は異なる。1層目は国民年金と呼んでいるが、これは韓国の場合は基礎年金に該当する。ただし、誰のお金で年金を支給しているかを見ると決定的な違いがある。韓国基礎年金は全額国家予算で充当しているが、日本は加入者と国家が一緒に負担する。2層目の厚生年金は韓国の国民年金に該当する。韓国とは違って自営業者を除く給与生活者だけが加入対象だ。

20年前は日本も厚生年金が頭痛の種だった。少子高齢化と経済成長率の鈍化で莫大な赤字が予想された。大手術が急がれていた。連立与党公明党所属の坂口力厚生労働相が前に出た。坂口氏は「年金100年安心プラン」を提示して年金改革議論を牽引(けんいん)した。改革の核心は▽年金保険料率の段階的引き上げ▽経済状況に沿って実質年金支給額を削減する自動安定装置の導入だった。

もちろん陣痛がないわけではなかった。政府の中でも厚生労働省と財務省の立場は違ったし、与党内部でも意見が分かれた。結局、小泉首相は2004年2月閣議で年金改革案を確定して国会に提出した。この法案が国会を通過して日本国民は少なくとも100年間年金財政の枯渇を心配しなくてもよくなった。現在、日本厚生年金の保険料率は18.3%だ。日本の会社員は韓国の国民年金加入者(9%)の倍以上の年金保険料を出しているということだ。

引退後も日本の人々は韓国よりも年金を少なく受け取っている。日本政府が発表した公的年金所得代替率は2019年基準61.7%だ。今後経済事情が悪くなっても50%以上は保障する計画だ。韓国国民年金(所得代替率40%)よりも良く見えるが実際には全く違う。日本の所得代替率61.7%は1層(夫婦基準)と2層(片働きサラリーマン基準)の年金を合わせたものだ。韓国の場合は高齢者夫婦の基礎年金と国民年金の所得代替率を合わせて計算した。2層目に該当する厚生年金だけに限ると、所得代替率は25%水準にとどまる。

もし日本のように100年後も年金として支給する資金を確保することさえできれば、韓国も所得代替率をいくらでも上げてもよい。だが「地獄に向かう道は善意で包装されている」という言葉のように、現実は絶望的なだけだ。財政の安定を重視する有識者の集まりである年金研究会は「現状況で所得代替率を上げることになれば、私たちの子女、またその子女世代の犠牲が火を見るよりも明らか」と指摘した。今は1~2%ポイントの違いが小さく見えても、それが数十年間累積すれば途方もない赤字の「ブーメラン」となって戻ってくるよりほかはない。財源準備対策もなく、中途半端に所得代替率を引き上げるのは未来世代に大きな罪を犯すことだ。

チュ・チョンワン/論説委員



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