サムスン電子は29日、SDカードとマイクロSDカードの新製品「PRO Ultimate(プロ・アルティメット)」を発売すると発表した。マイクロSDカードはドローンやアクションカム、タブレットなどに主に使われ(左写真)、SDカードはノート型パソコンやビデオカメラ、ミラーレスカメラなどに活用される。[写真 サムスン電子]
サムスン電子は29日、SDカードとマイクロSDカードの新製品「PRO Ultimate(プロ・アルティメット)」を発売したと発表した。サムスン電子がメモリーカードの新製品を発売したのは1年3カ月ぶりのことだ。DRAMと共にメモリー半導体のもう一つの軸として挙げられるNAND型フラッシュは、補助記憶装置として主に使われる。SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)、USB装置、SDメモリーカードなどが代表的な消費者用NAND製品だ。
サムスンがこの日発売したプロ・アルティメット製品群は、専門フォトグラファー、クリエイター用のメモリーカードだ。大容量コンテンツ作業だけでなく、反復的なデータの読み取りと書き込み、消去作業にも安定した性能を提供する。サムスン電子は「今回の製品群はUHS-I規格最高水準の最大200MB/秒の読み取り速度と130MB/秒の書き込み速度を提供する」と発表した。このような読み取り速度は、1.3GBサイズの映画一本をパソコンからメモリーカードに11.2秒で送る水準だ。4K UHDとFHD映像などの大容量ファイルも早く送ることができる。
プロ・アルティメットSDカードはDSLR・ミラーレスカメラ、ビデオカメラ、パソコン、ノート型パソコンと主に互換性があり、マイクロSDカードはスマートフォン、タブレット、携帯用ゲームコンソール、アクションカム、ドローン、パソコンなどより幅広い機器に使用できる。
サムスンがNAND市場不況の中でも消費者用メモリーカード新製品を出したのは、それだけ市場反騰に対する確信があるためだ。メモリーカード市場はドローン、アクションカムなど新しい機器の普及と大容量コンテンツに対する需要増加で2027年まで年平均13.8%の成長が予測される。
NAND市場全体も今年底を打ち、来年から再び回復傾向に入るものと見られる。人工知能(AI)およびデータ需要の増加による高性能・高容量NANDフラッシュ需要はもちろん、消費者用、車両用など多様な需要が再び蘇るという期待だ。
市場調査会社のオムディアによると、今年NAND市場全体の売上高は432億ドル(約6兆円)で前年比27.2%減少するものと予想されるが、来年は531億ドルへと増え、再び成長傾向に入る見通しだ。
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