「記者の方たち、ノートパソコンを閉じてください。あ、そしてここに韓国の記者でない方はいますか」。
ポーランドの首都ワルシャワのホテルに設けられたプレスセンターで記者団の前に立った大統領室関係者が14日にした話だ。予定通りならば帰国準備の最中だった。歴訪決算会見を念頭に置いていた記者らはざわついた。まもなくある高位当局者が「ここからは録音もノートパソコンに書き取るのもやめてほしい。ここからの内容を国内の特定メッセンジャーを通じて知らせるのもやめてほしい」と頼んだ。
当惑する雰囲気の中でも記者団がこれにうなずくと高位関係者が壇上に立った。彼は「韓国の国益のため今回のことはとても特別で、いまからエンバーゴ(報道猶予)を解除するまで徹底的に守り、絶対に社内でもセキュリティが守られるよう格別に協調を求める」と述べた。続けて「(ワルシャワで)あと2泊しなければならないようだ。国家元首の身辺がかかわっている国家安保に対する問題なのできょうまでだけは外部に連絡せず耐えてほしい」と話した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領のウクライナ訪問計画が初めて知らされた瞬間だ。
これが14日午後2時30分。尹大統領がワルシャワ大学での演説を終えウクライナに出発した時間が午後4時40分なので電撃的な訪問を130分ほど残したタイミングだった。当局者の要請は続いた。「国際電話固定電話は危険だ」「絶対に必要な1~2人には迂迴的な方式で通信をしてほしい」「(15日)午前2時までが危険だ」「『出張期間が少し延びた。理由は後で説明する』程度だけ話してほしい」。戦争中の国の首脳と会談しに行くケースは尹大統領が初めてだったためだ。
ウクライナを訪問した韓国の代表団構成も尹大統領夫妻のほか、趙太庸(チョ・テヨン)国家安保室長と金泰孝(キム・テヒョ)国家安保室第1次長、金恩慧(キム・ウンヘ)広報首席秘書官と通訳要員、一部警護処関係者に最小化した。対国民疎通窓口である李度運(イ・ドウン)報道官もワルシャワに残った。大統領室警護処関係者は「最高水準のセキュリティ等級という意識で、格別にセキュリティをしっかり守るよう丁重にお願いする」と話した。
実際に尹大統領の今回のウクライナ訪問は徹底したセキュリティの中で進められた。これに先立ちゼレンスキー大統領のオレナ夫人が5月に特使として訪韓した際に「ウクライナはいつでも友人を待っている。尹大統領の訪問は非常に大きな力になるだろう」と公開的に明らかにした。この時、招請の意向が込められたゼレンスキー大統領の親書も伝達した。同月広島での先進7カ国首脳会議(G7サミット)を契機に韓国とウクライナの首脳会談が開かれた時にゼレンスキー大統領が直接尹大統領に訪問してほしいという意思も伝えたという。
金泰孝国家安保室第1次長は会見で「NATO首脳会議が迫り外交チャンネルを通じて再び招請がきた。しかし国家元首の身辺安全と警護問題は容易でなく、重大な国家安保事項が絡まっていたため決定はできずに(NATO首脳会議が開かれたリトアニアに)出国した」と明らかにした。電撃的な訪問は尹大統領がポーランド歴訪中に最終決定するほどぎりぎりまで苦心を繰り返したという意味だ。
尹大統領はウクライナ訪問日程をこなしながらも韓国の豪雨被害状況を指揮したと大統領室は伝えた。尹大統領は15日にゼレンスキー大統領との会談を終えた直後に中央災害安全対策本部のオンライン会議に参加し、韓悳洙(ハン・ドクス)首相に「昨年台風11号が襲来した時に浦項(ポハン)、蔚山(ウルサン)地域で軍装備を動員した事例を参考にして軍・警察など政府の使える人的・物的資源を総動員せよ」と指示した。
尹大統領はウクライナ訪問を終えてポーランドに戻る列車の中でも参謀らと再び緊急状況点検会議をし、画像で韓国国内の状況を点検した。集中豪雨にともなう被害が時々刻々と増え人命被害が続出する状況で再び直接点検に出たというのが大統領室の説明だ。
16日にポーランドに戻った尹大統領はすぐに中央災害安全対策本部をオンラインでつなぎ集中豪雨対処点検会議を主宰した。尹大統領はまず「今回の豪雨によって死亡した方々の冥福を祈り遺族のみなさんに慰労の言葉を申し上げる」と話したと金恩慧広報首席秘書官が書面ブリーフィングを通じて伝えた。尹大統領は一部地域で事前統制がまともにされていなかった点を指摘しながら「災害対応の第1原則は危険地域に対する進入統制と、水路の逆流や氾濫をいち早く認識し先制的に避難措置をさせること」と強調した。続けて「自治体が現場で速やかに必要な措置ができるよう気象庁、山林庁など関連機関は危険情報をリアルタイムで伝えなければならない」として汎政府次元の有機的で即応的な態勢を注文した。警察には「自治体と協力して低地帯進入統制を無理だと思えるほどにしてほしい」とした。
大統領室高位関係者は16日、「韓国の水害状況を考慮しウクライナでの日程をいくつか減らした」とし、博物館訪問と首脳夫妻との親交日程などを取り上げた。この関係者は「韓国大統領がソウルに駆けつけたとしても集中豪雨の状況を大きく変えることはできない立場だった。豪雨の状況を1日に1回以上モニターし続けた」と話した。
尹大統領は17日午前に帰国し次第すぐに中央災害安全対策本部会議を主宰し豪雨の状況を取りまとめる予定だ。
ポーランドの首都ワルシャワのホテルに設けられたプレスセンターで記者団の前に立った大統領室関係者が14日にした話だ。予定通りならば帰国準備の最中だった。歴訪決算会見を念頭に置いていた記者らはざわついた。まもなくある高位当局者が「ここからは録音もノートパソコンに書き取るのもやめてほしい。ここからの内容を国内の特定メッセンジャーを通じて知らせるのもやめてほしい」と頼んだ。
当惑する雰囲気の中でも記者団がこれにうなずくと高位関係者が壇上に立った。彼は「韓国の国益のため今回のことはとても特別で、いまからエンバーゴ(報道猶予)を解除するまで徹底的に守り、絶対に社内でもセキュリティが守られるよう格別に協調を求める」と述べた。続けて「(ワルシャワで)あと2泊しなければならないようだ。国家元首の身辺がかかわっている国家安保に対する問題なのできょうまでだけは外部に連絡せず耐えてほしい」と話した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領のウクライナ訪問計画が初めて知らされた瞬間だ。
これが14日午後2時30分。尹大統領がワルシャワ大学での演説を終えウクライナに出発した時間が午後4時40分なので電撃的な訪問を130分ほど残したタイミングだった。当局者の要請は続いた。「国際電話固定電話は危険だ」「絶対に必要な1~2人には迂迴的な方式で通信をしてほしい」「(15日)午前2時までが危険だ」「『出張期間が少し延びた。理由は後で説明する』程度だけ話してほしい」。戦争中の国の首脳と会談しに行くケースは尹大統領が初めてだったためだ。
ウクライナを訪問した韓国の代表団構成も尹大統領夫妻のほか、趙太庸(チョ・テヨン)国家安保室長と金泰孝(キム・テヒョ)国家安保室第1次長、金恩慧(キム・ウンヘ)広報首席秘書官と通訳要員、一部警護処関係者に最小化した。対国民疎通窓口である李度運(イ・ドウン)報道官もワルシャワに残った。大統領室警護処関係者は「最高水準のセキュリティ等級という意識で、格別にセキュリティをしっかり守るよう丁重にお願いする」と話した。
実際に尹大統領の今回のウクライナ訪問は徹底したセキュリティの中で進められた。これに先立ちゼレンスキー大統領のオレナ夫人が5月に特使として訪韓した際に「ウクライナはいつでも友人を待っている。尹大統領の訪問は非常に大きな力になるだろう」と公開的に明らかにした。この時、招請の意向が込められたゼレンスキー大統領の親書も伝達した。同月広島での先進7カ国首脳会議(G7サミット)を契機に韓国とウクライナの首脳会談が開かれた時にゼレンスキー大統領が直接尹大統領に訪問してほしいという意思も伝えたという。
金泰孝国家安保室第1次長は会見で「NATO首脳会議が迫り外交チャンネルを通じて再び招請がきた。しかし国家元首の身辺安全と警護問題は容易でなく、重大な国家安保事項が絡まっていたため決定はできずに(NATO首脳会議が開かれたリトアニアに)出国した」と明らかにした。電撃的な訪問は尹大統領がポーランド歴訪中に最終決定するほどぎりぎりまで苦心を繰り返したという意味だ。
尹大統領はウクライナ訪問日程をこなしながらも韓国の豪雨被害状況を指揮したと大統領室は伝えた。尹大統領は15日にゼレンスキー大統領との会談を終えた直後に中央災害安全対策本部のオンライン会議に参加し、韓悳洙(ハン・ドクス)首相に「昨年台風11号が襲来した時に浦項(ポハン)、蔚山(ウルサン)地域で軍装備を動員した事例を参考にして軍・警察など政府の使える人的・物的資源を総動員せよ」と指示した。
尹大統領はウクライナ訪問を終えてポーランドに戻る列車の中でも参謀らと再び緊急状況点検会議をし、画像で韓国国内の状況を点検した。集中豪雨にともなう被害が時々刻々と増え人命被害が続出する状況で再び直接点検に出たというのが大統領室の説明だ。
16日にポーランドに戻った尹大統領はすぐに中央災害安全対策本部をオンラインでつなぎ集中豪雨対処点検会議を主宰した。尹大統領はまず「今回の豪雨によって死亡した方々の冥福を祈り遺族のみなさんに慰労の言葉を申し上げる」と話したと金恩慧広報首席秘書官が書面ブリーフィングを通じて伝えた。尹大統領は一部地域で事前統制がまともにされていなかった点を指摘しながら「災害対応の第1原則は危険地域に対する進入統制と、水路の逆流や氾濫をいち早く認識し先制的に避難措置をさせること」と強調した。続けて「自治体が現場で速やかに必要な措置ができるよう気象庁、山林庁など関連機関は危険情報をリアルタイムで伝えなければならない」として汎政府次元の有機的で即応的な態勢を注文した。警察には「自治体と協力して低地帯進入統制を無理だと思えるほどにしてほしい」とした。
大統領室高位関係者は16日、「韓国の水害状況を考慮しウクライナでの日程をいくつか減らした」とし、博物館訪問と首脳夫妻との親交日程などを取り上げた。この関係者は「韓国大統領がソウルに駆けつけたとしても集中豪雨の状況を大きく変えることはできない立場だった。豪雨の状況を1日に1回以上モニターし続けた」と話した。
尹大統領は17日午前に帰国し次第すぐに中央災害安全対策本部会議を主宰し豪雨の状況を取りまとめる予定だ。
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