２年前に死亡したと伝えられた米国のロマンス小説作家が最近自身の生存をソーシャルメディアを通じて知らせた。彼女を追慕してきたファンと仲間の作家の間では公憤が起きている。

英ＢＢＣと米日刊紙ＵＳＡトゥデイなどによると、ロマンス小説作家のスーザン・ミーチェンの訃報が伝えられたのは２０２０年９月だった。当時ミーチェンの娘だと主張する人物はミーチェンのフェイスブックアカウントに「母が自殺した」という内容で投稿した。

ミーチェンが活動したロマンス小説オンラインコミュニティの読者と作家仲間は衝撃を受けた。ミーチェンがオンライン上のいじめに苦しめられて極端な選択をしたといううわさも広がった。


作家仲間であるミーチェンの作家仲間であるサマンサ・Ａ・コールソマンはＢＢＣに「数カ月にわたりコミュニティの会員同士で互いに『原因提供者』と名指しし不和を生じさせた」と伝えた。

◇２年後突然「復活」したミーチェン

だが最近ファンと作家仲間は衝撃を受けた。ミーチェンが自身のソーシャルメディアに「復活」を知らせたのだ。ミーチェンは「私は再び小説を書きたい。質問があふれるだろうが、おもしろく始めよう」と書いた。

ミーチェンが自身が生きていると知らせたのは死後２年と数日後だった。彼女のコミュニティでは２周忌を賛えるためにチャリティ基金を集めて本のオークションをしたほか、短編小説文集も出版した。

仲間とファンらは茫然自失を超えて憤怒した。作家仲間のコールは「これは小説ででも起きること。いったいどんな考えでそうしたのかまったく理解することはできない」と糾弾したとＢＢＣは伝えた。

ミーチェンの追悼文集発刊にも参加したまた別の作家仲間キャンディス・アダムスは「何が真実で偽りなのかわからず、みんなどうしていいかわからない」と話した。

◇広報か、いじめか…騒動の経緯推測も

彼女の同僚とファンはだれが、なぜこんなことをしたのか経緯を推測している。ＢＢＣによると、アダムスは「過去を振り返ると彼女の死を知らせたのも彼女の娘ではなくミーチェンだったと結論を出した」と話した。ミーチェンの死亡当時、彼女の娘だと明らかにした人物が彼女の遺作を完成するのと以前の作品を広報することを要請したとしながらだ。

コールはミーチェンに「なぜまた戻ってきたのか」というフェイスブックメッセージを送り、こうした騒動が発生した理由を尋ねた。これに対しミーチェンは家族間で問題があったとし、精神科での治療と相談を受ける間沈黙することにしたと答えたとＢＢＣは伝えた。

ミーチェンが「自作自演した」という内容が広がり、ミーチェンだと主張するだれかがあるサイトに文を残したりもした。オンラインでのいじめから解放されるために死を装ったとしたのだ。この人物は「私が生きていると言うとすぐ途轍もないいじめが始まった。こうした有害さが私をその状況に追い詰めたものなので私は道徳的に正当だ」と書いた。

アダムスはこれまでの募金活動と関連してミーチェンを詐欺容疑で告訴しようと該当地域の警察に連絡したとし、「（ミーチェンは）自身が死ねば自分の作品がより多くの関心を引くと考えたようだ」と指摘した。だがミーチェンは以前に一緒に仕事をした編集者を通じ「寄付金を受け取ったことはない」と主張したとＢＢＣは報道した。