昨年12月1日、釜山南区(プサン・ナムグ)戡湾(カムマン)ふ頭で輸出用コンテナ船舶に船積みをしている。ソン・ポングン記者
関税庁が23日に明らかにしたところによると、8月1~20日の輸出額はICT品目を中心に下落傾向を見せた。最大輸出品目である半導体は62億7000万ドルで前年同期比7.5%減った。無線通信機器が24.6%減、コンピュータ周辺機器が32.8%減と減少幅が大きかった。10大輸出品目のうち乗用車が22.0%、船舶が15.4%、自動車部品が8.9%増加したのと対照的だ。特に半導体は月末までこうした傾向が続けば新型コロナウイルス流行の真っ最中だった2020年6月から26カ月ぶりのマイナス成長を記録することになる。
こうした傾向は7月の統計にも現れた。半導体輸出は昨年7月と比較すると2.5%増えたが成長が鈍化した。3月に36.9%を記録した半導体輸出増加率(前年同月比)が急速に下り坂に入ったのだ。また別のICT分野であるコンピュータが14.4%、無線通信機器が16.0%など下落傾向を見せた。これに対し乗用車は26.3%、船舶は30.3%など輸出額が1年間で大きく増えた。
先行きが不安な下半期のICT輸出予想は上半期と明確に異なる様相だ。産業通商資源部によると上半期のICT輸出額は1226億ドルで前年同期比18.9%増えた。昨年上半期の1030億ドルを超え上半期基準では最大の実績だ。半導体をはじめとする主要品目の大部分が増加した。中国や米国など主要5カ国へのICT輸出もいずれも2桁の成長を記録した。
産業研究院のキム・ヤンペン専門研究員は「半導体を見れば最近の輸出増加傾向下落は昨年30~40%ずつ成長したのに伴った逆ベース効果が最も大きい。上半期の数値は良いが、下半期は成長が鈍化するだろう」と予想する。彼はまた「ウクライナ情勢の長期化、中国の新型コロナウイルス封鎖の余波で需要が萎縮し、景気見通しも不透明で現在としては反騰の余地が見られない」と話した。
悪材料も積もっている。インフレと急激な金利上昇などにともなう世界的な景気低迷によりIT機器の需要が減るほかない。8月の米ミシガン大学消費者信頼感指数は55.1で過去最低だった6月の50.2よりは高いが依然として冷え込んでいる。7月の中国の小売り販売も前年同期比2.7%の増加にとどまり市場の予想を下回った。
台湾の市場調査会社トレンドフォースは、供給過剰や在庫増加などにより7-9月期の消費者用DRAM価格が4-6月期より最大18%落ちるだろうと予想する。19日に出された貿易協会の報告書によると、中国の技術力強化の中で半導体製造用装備、液晶パネルの対中輸出は明確な減少傾向を見せている。
仁荷(インハ)大学国際通商学科のチョン・インギョ教授は「米国だけでも年末のショッピングシーズンを考慮すれば輸出量が大きく増えなくてはならないがこれといった兆しは見られない。消費者がIT製品購入計画を立てていないばかりか明確な輸出対案もなく企業には厳しい状況」と話した。
こうしたことからICT輸出に対する否定的な見通しが支配的だ。21日に産業研究院が発表した専門家サーベイ指数(PSI)で、自動車(137)と造船(115)は9月の輸出見通しPSIが100を大きく上回った。これに対し半導体(70)、携帯電話(88)は100を下回った。100を上回るほど前月比で改善を予想する意見が多く、その反対ならば悪化を予想する意見が多いという意味だ。
この記事を読んで…