２１歳の現役軍人がファイザー製の新型コロナワクチン接種後に全身に湿疹が広がり、けいれんなどの異常症状を訴えたが、軍の命令を受けて復帰し、８日後に死亡した。

ＹＴＮの１９日の報道によると、昨年５月に入隊した陸軍兵士Ａさんは、今年３月２２日に部隊内で死亡した。

Ａさんは昨年８月と９月にファイザー製ワクチンを２回接種したが、その後、腰や首など全身に湿疹が広がるなど異常症状が表れた。１月ごろからは１週間に６回もけいれんを起こした。


Ａさんは民間病院で診断を受け、病院は髄膜炎、てんかんなどと診断した。病院側はＡさんに「少なくとも６カ月間は激しい運動を控え、危険なところに一人で行くのは注意が必要だ」と伝えた。

Ａさんの父はＹＴＮのインタビューで「病院から、皮膚の症状が珍しく、ワクチンと関係があるかもしれないという話を聞いた」と主張した。

民間病院で治療を受けながらＡさんの状態はやや好転した。しかし３月に部隊から「復帰」命令を受け、Ａさんは３カ月ぶりに復帰した。

Ａさんは死亡前日の３月２１日まで「けいれんが起こりそうだ」と訴えたが、部隊で特別な措置は取られなかった。死亡の前日に予定されていた当直勤務を別の兵士に交代したのがすべてだった。

Ａさんは３月２２日午前、遺体で見つかった。Ａさんは就寝前までは大きな異常は見られなかったという。

Ａさんの父は「応急措置をしたが、体がすでに硬直していてどうすることもできない状況だったと聞いた」と伝えた。

Ａさんの遺族は「事前に十分に防ぐことができた死だった」として抗議している。遺族によると、部隊側は死因を尋ねる遺族に対し「基礎疾患」と答えたが、遺族は「それほど基礎疾患が深刻なら部隊復帰命令を出すべきではなかった」という立場だ。

専門家らはＡさんの異常症状がファイザー製ワクチンと関連性があり得るという主張について「ファイザー接種後によく報告される症状ではない」とし「診断書上の症状はウイルス性、水因性の症状であり（ワクチン以外にも）いくつかの要因があり得る」と明らかにした。Ａさんの遺族は正確な死因究明のために剖検を依頼し、結果を待っている。

ただ、専門家らは「危険なところに一人で置いてはいけないという診断があり、異常症状を訴えたが十分に状態を確認せず、診断書によると客観的に部隊復帰が可能な状態ではなかったが復帰命令が出された点は問題の余地がある」と述べた。

現在、陸軍は該当事案の調査を進めている。軍は▼死亡前に特異事項があったか▼特異事項に適切な措置が取られたか▼部隊復帰命令が適切だったか－－などを確認する方針だ。軍の捜査は６カ月ほどかかると予想される。