5月に発足する尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権には外交的な難題が多い。いつでも高強度の挑発ができるよう準備する北朝鮮の脅威、米中間で激化する戦略競争など、どれ一つも容易なものはない。
しかし実際これをうまく解決していくことが可能な隠れたポイントがある。それは日本だ。韓国は自由民主主義と市場経済という核心価値を共有する隣国の日本と多くの安保懸案で利害関係が一致するからだ。脅威に対応するための連携はやりやすい。
一例として北朝鮮のミサイル脅威が挙げられる。非核化の方法は対話が必要だが、米朝が当事者となる非核化対話で「スモールディール」に対する懸念は常に存在する。米国本土に脅威となる長距離ミサイルの除去を優先視する場合、韓国を脅かす短距離ミサイル問題は看過されやすい。こうした状況を共に防げる唯一の国が日本だ。韓日は北朝鮮の中距離・短距離ミサイルによる安保の脅威を共有する。
それで、文在寅(ムン・ジェイン)政権が韓日関係を最悪の状況になるよう放置または助長したのは、北核の脅威をはじめ多くの安保的懸案を扱ううえで自らを不利な状況に追い込むのと同じだった。
もちろん誰が原因を提供し始めたのかを問いただせば、非難されるべき側は日本だ。不当な経済報復措置を取り、過去の問題に誠意ある態度も見せなかった。
しかし外交力というものは「それで」でなく「それでも」を成し遂げるものだ。断交するのではない限り、それでも韓日関係をこれほどまで悪化させないために、政府は今よりもっと努力するべきだった。
ところが国内政治的に反日感情を活用して対決構図にさせたのが文政権の敗着だ。その間、葛藤の根源である過去の問題解決のための国内的努力も十分にしなかった。
5年間のトンネルを過ぎて、ようやく韓日関係改善の環境が形成されつつある。尹錫悦次期大統領は候補時代から関係改善の意志を見せ、日本でも文政権が退くだけでも状況が変わるという期待感が高い。
しかし最近の日本発の報道を見ると、尹政権はこのような期待感を満たすのではなく、期待感を下方調整する方向を定めるべきではないかと感じるほど心配が多い。
尹錫悦次期大統領が就任直後の5月末に開催されるクアッド(日米豪印)首脳会合へのオブザーバー出席を希望し、「非公式」に訪日を打診した、という日本経済新聞の14日の報道が代表的な例だ。非公式という表現自体が引っかかるうえ、日本政府当局者でなく「クアッド参加国の政府高官」が明らかにしたという。
物証はないが、国内外的な反応を見ようとする一種の探りではないかと疑われる。案の定、松野博一官房長官は報道の直後、「打診がわが国に対して行われた事実はない」と反論した。情報の出処が日本でもなく、さらに非公式の打診であり、反駁するのも容易だ。これに先立ち大統領職引き継ぎ委員会が直ちに「全く議論されていない」と一線を画したのはもちろんだ。
大統領選挙が終わってからずっとこのような流れだ。尹次期大統領の就任式に送る祝賀使節に関しては一行も報道されないが、韓国が日本に政策協議団(特使団)を送る計画だという報道は多い。
開始からこのような形の駆け引きはよくない。韓国側でいくら韓日関係改善に向けた環境が形成されたとしても、日本が呼応する意志がなければいかなる効果もない。手のひらも互いに接してこそ音が出るものではないのか。
政策協議団に関しても簡単に結論を出せない理由がある。4月末または5月初めには日本が毎年「外交青書」を公開するが、今回も独島(ドクト、日本名・竹島)に関する主張を入れるのは明白だ。政策協議団を日本に送る場合、ちょうど4月末が適期となる。韓国の領土主権を堂々と否定する日本に尹次期大統領がどうやって快く政策協議団を送れるのか。
韓国「尹錫悦時代」、韓日関係でまずやるべきこと(2)
しかし実際これをうまく解決していくことが可能な隠れたポイントがある。それは日本だ。韓国は自由民主主義と市場経済という核心価値を共有する隣国の日本と多くの安保懸案で利害関係が一致するからだ。脅威に対応するための連携はやりやすい。
一例として北朝鮮のミサイル脅威が挙げられる。非核化の方法は対話が必要だが、米朝が当事者となる非核化対話で「スモールディール」に対する懸念は常に存在する。米国本土に脅威となる長距離ミサイルの除去を優先視する場合、韓国を脅かす短距離ミサイル問題は看過されやすい。こうした状況を共に防げる唯一の国が日本だ。韓日は北朝鮮の中距離・短距離ミサイルによる安保の脅威を共有する。
それで、文在寅(ムン・ジェイン)政権が韓日関係を最悪の状況になるよう放置または助長したのは、北核の脅威をはじめ多くの安保的懸案を扱ううえで自らを不利な状況に追い込むのと同じだった。
もちろん誰が原因を提供し始めたのかを問いただせば、非難されるべき側は日本だ。不当な経済報復措置を取り、過去の問題に誠意ある態度も見せなかった。
しかし外交力というものは「それで」でなく「それでも」を成し遂げるものだ。断交するのではない限り、それでも韓日関係をこれほどまで悪化させないために、政府は今よりもっと努力するべきだった。
ところが国内政治的に反日感情を活用して対決構図にさせたのが文政権の敗着だ。その間、葛藤の根源である過去の問題解決のための国内的努力も十分にしなかった。
5年間のトンネルを過ぎて、ようやく韓日関係改善の環境が形成されつつある。尹錫悦次期大統領は候補時代から関係改善の意志を見せ、日本でも文政権が退くだけでも状況が変わるという期待感が高い。
しかし最近の日本発の報道を見ると、尹政権はこのような期待感を満たすのではなく、期待感を下方調整する方向を定めるべきではないかと感じるほど心配が多い。
尹錫悦次期大統領が就任直後の5月末に開催されるクアッド(日米豪印)首脳会合へのオブザーバー出席を希望し、「非公式」に訪日を打診した、という日本経済新聞の14日の報道が代表的な例だ。非公式という表現自体が引っかかるうえ、日本政府当局者でなく「クアッド参加国の政府高官」が明らかにしたという。
物証はないが、国内外的な反応を見ようとする一種の探りではないかと疑われる。案の定、松野博一官房長官は報道の直後、「打診がわが国に対して行われた事実はない」と反論した。情報の出処が日本でもなく、さらに非公式の打診であり、反駁するのも容易だ。これに先立ち大統領職引き継ぎ委員会が直ちに「全く議論されていない」と一線を画したのはもちろんだ。
大統領選挙が終わってからずっとこのような流れだ。尹次期大統領の就任式に送る祝賀使節に関しては一行も報道されないが、韓国が日本に政策協議団(特使団)を送る計画だという報道は多い。
開始からこのような形の駆け引きはよくない。韓国側でいくら韓日関係改善に向けた環境が形成されたとしても、日本が呼応する意志がなければいかなる効果もない。手のひらも互いに接してこそ音が出るものではないのか。
政策協議団に関しても簡単に結論を出せない理由がある。4月末または5月初めには日本が毎年「外交青書」を公開するが、今回も独島(ドクト、日本名・竹島)に関する主張を入れるのは明白だ。政策協議団を日本に送る場合、ちょうど4月末が適期となる。韓国の領土主権を堂々と否定する日本に尹次期大統領がどうやって快く政策協議団を送れるのか。
韓国「尹錫悦時代」、韓日関係でまずやるべきこと(2)
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