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要諦は2つだった。 一つ目、金正日(キム・ジョンイル)国防委員長は乱暴な子供だ。 二つ目、核開発は米国の関心を向けさせる脅しにすぎない。 したがってブッシュ大統領が明らかにした北核対応戦略も簡単明瞭だった。 不良少年のだだを米国という大人一人で聞いてあげても何の効果もなく、問題が生じれば米国だけが責任を負うことになる。 したがって周辺の大人(韓国・中国・日本・ロシア)を引き込んで一緒に悪い癖を直していかなければならないが、特に北朝鮮に対して大きな影響力を持つ中国が重要だ、ということだ。 中国を議長国とする6カ国協議は、ブッシュ大統領のこうした思考から始まった。
にもかかわらず、中国が米国が考えるほど積極的に動かない場合、米国は2つのことを暗示して圧力を加える。 まず中国が北朝鮮の核開発をずっと放置すれば、米国はやむを得ず自衛措置を講じるしかない。 さらに周辺国家の自衛措置も米国は防ぐのが難しくなるということだ。 消息筋によると、ブッシュ大統領は江沢民と胡錦濤・国家主席にはっきりとこのように話し、慌てた2人が北朝鮮を6カ国協議に引き出すのに成功したと伝えられている。
これを見ると、北朝鮮の核問題は米国と中国の間で行われている巨大なチェス盤の馬にすぎない。 実際、北朝鮮は米国の対外政策でずっと‘2番目’だった。 クリントン前大統領は任期末の2000年、平壌(ピョンヤン)を訪問し、朝米関係正常化を宣言する歴史的人物になろうとした。 しかしその年の6月、クリントンの招待を受けキャンプデービッドでバラク・イスラエル首相と交渉中だったアラファト・パレスチナ自治政府長官が「平壌(ピョンヤン)に行けばこの交渉は終わりだ」と述べると、クリントン大統領はすぐに北朝鮮訪問計画を取り消した。 クリントン大統領にとっては中東のほうがはるかに重要だったのだ。
→(2)へ続く
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