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「北、食糧支援なければ8月に大飢饉危機」…(1)

北朝鮮住民の食糧難が日々深刻化する中、国連世界食糧計画(WEP)が大飢饉危機への懸念を表した。

3月末にWEPは、国連食糧農業機関(FAO)の調査をもとに「北朝鮮の食糧難が01年以来最悪の状況」とし「国際社会の緊急支援がない場合、650万人が餓死する可能性がある」と警告した。昨年の穀物収穫量が、最小限の必要食糧466万トンより166万トンも足りない3000万トンにすぎないということだ。

北朝鮮の人権状況を監視する人権団体「良き友人」は、大飢饉の危機にも触れている。理事長の法輪和尚は8日、米ワシントンで行った講演で「平安南道陽徳郡(ピョンアンナムド・ヤンドクグン)と黄海道沙里院(ファンヘド・サリウォン)付近から餓死者が出はじめている」とし「食糧が底をつく5月から6月にかけ、20~30万人が餓死する可能性がある」という見方を示した。


95年~96年に数百万人が餓死した大飢饉の状況に似ているという主張だ。「良き友人」のイ・スンヨン事務局長は、食糧難が深刻化し「平壌(ピョンヤン)と開城(ケソン)、会寧(フェリョン)を除いては全国にわたって配給が中断されており、コメ・トウモロコシの相場が高騰した」と話している。

だが、韓国政府の見方は少し異なる。厳しいものの緊急状況ではない、と見ている。穀物収穫量の推定値も異なる。農業振興庁は、北朝鮮が前年比11%減の401万トンを生産した、と分析している。最小限の必要食糧も520万トンを設定し、120万~140万トンが不足している、と推定した。不足分については、WFP側との間に、46万トンという大きな隔たりがあるのだ。

基本的に北朝鮮が閉鎖された社会だという点から正確な食料事情は分かりにくい、というのが専門家の見解だ。韓国政府は、情報衛星を通じてコメ作柄を予想し、朝中国境地帯などで行った実査結果を踏まえて、農村振興庁と統一部・国家情報院など関連機関が収穫量と不足分などを推算しているという。

「良き友人」の場合、北朝鮮を出入りする消息筋を通じて状況を把握する。95年から国際社会が支援する食糧を北朝鮮に渡してきたWFPの場合、緊急性をもう少し強調する傾向がある。国際社会から支援を受ける金額の2割を職員の賃金など行政関連費用に使わなければならないために、実際の不足分より膨らませて推定する、という見方もある。

米ピーターソン国際経済研究所のマーカス・ノーランド専任研究員は「WEPは実際より20%高く推測する誤りを犯しており、98年ごろから実際の必要量を超過したりもした」と話している。→(2)へ続く



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