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「ソウルに外国人観光客を誘致する仕事を引き受けてから“これだけは必ず直すべきだ”というアドバイスをたくさんもらいます。ところで韓国人だからとか外国人だからという前に、ソウルの食堂についての話には耳が傾きますね」--。
ソウル市が観光活性化のために設立したソウル観光マーケティングの初代CEO、具三悦(ク・サムヨル)社長は「料理と食堂」の話からまず始めた。
--ソウル観光マーケティングはどんな会社か。
「デザインソウル、漢江ルネサンスを初めとする政策により、ソウルの観光資源は豊富になっています。こういった変化を元に創意的で果敢なマーケティングを行い、外国人観光客を誘致するのが私たちの役目です。韓流、情報技術(IT)に歴史、自然環境はもちろん、北朝鮮の公演文化をもとにしたさまざまなソウル観光の商品を開発していく計画です」
--観光客誘致のために特に改善が必要な分野は。
「何よりもまず、ソウルのレストランで外国語でのコミュニケーションができるようにならなければなりません。このため、小中規模の食堂などに「メニューコンソール(menu console)」を開発し普及させる方針です。韓・日・中・英の4カ国語で食べ物の材料、調理法、値段、由来などの情報を提供する電子端末機のことです。韓国人利用客にも役立つと思います」
--韓国式食堂をグレードアップするための対策は。
「韓流料理コンクールを行い、若くて才能ある韓国料理の調理士を積極的に発掘します。発掘した若手調理師を採用する国内外の韓国式食堂を支援し、外国に広報する計画です。外国人が好む韓流料理を開発し、メニューとして出している食堂やレストランも積極的にマーケティング支援をします」
--急増している中国人観光客市場についての対策は。
「国内の旅行会社間で過当競争が起き、中国人観光客に対して一食あたりの食費を3000ウォン(約300円)に合わせている状況です。これでは中国人は韓国に来たがりません。中国富裕層の海外旅行者の目線に合うように高級な商品を企画、販売しなければなりません。ソウル市がチャイナタウンを造成する延南洞(ヨンヒドン)にわが社が中国人専門の飲食店をオープンさせます」
--ソウル市民にお願いしたいことは。
「ソウルという都市が(私たちのことを)思いやってくれたと、外国人たちがよい思い出をもって自国に帰れるようにしなければなりません。こういった面で、観光客誘致の努力は市民運動的な側面が強いです。ソウル市民の参加と協力が必要です」
◇ソウル観光マーケティング=ソウル市と大韓航空、新羅(シンラ)ホテル、ロッテ観光、ソウル市観光協会など16の観光関連の企業および団体が4対6の割合で資本金106億ウォン(約11億円)を出資し作った株式会社。ソウル市の観光客誘致のためのマーケティングおよび広報活動が主な業務だ。
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