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【噴水台】わいせつメディア



性・暴力と係わる事件が起これば真っ先に袋叩きに遭うのがマスメディアだ。メディアの過度な性と暴力が犯罪を起こすというのだ。まだ判断力のない子供や青少年の視聴者にはますますそうだ。犯人を公開手配する番組も、犯人検挙や犯罪予防以上に犯行方法を知らせ、模倣犯罪を触発するという批判も免れない。

しかしメディア学者たちは犯罪とマスコミの影響は直接的というより間接的だと見る。メディアの過度な性・暴力に露出された視聴者を犯行に導いた多くの要素のうちのひとつだというのだ。メディア性・暴力表現の水位の高い国々が、そうではない国に比べて必ずしも犯罪率が高くないというのが根拠として提示される。責任がないというのではなく、メディアの責任を前面に出すのは、ややもすると犯罪の多くの社会・文化・経済的背景をくもらせるという考えによる。


一方、メディアの性・暴力が、実際に大衆の押えつけられた欲求を代理噴出・満足させるという意見もある。このような脈絡の中でここ最近、新しい国内メディアの性・暴力に対する世論は驚くほど寛大になった。規制も大幅に緩和された。性談論の解放でメディアの性・暴力をいちいち問題視するのは狭量で陳腐な道徳的発想のように見える雰囲気まで形成された。

しかし最近、大邱(テグ)で起きた小学生集団性暴行事件は、韓国社会が最近、メディアの性・暴力に対して無責任なほどに緩かったのではないのかと反省させられる。事件は衝撃的だ。小学生たちの集団性暴行とセクハラが校庭で行われた。後輩たちに性暴行の強要までしたという。加害者の子供たちはケーブルテレビやインターネットなどで見たわいせつ番組やサイトをまねしたと述べた。

動物学者デズモンド・モリス氏は『人間動物園』で性行為を10タイプに区分し「地位セックス」という概念を紹介した。性的欲望の充足や繁殖欲より自分が相手より優越だということを確認するためのセックスだというのだ。彼によるとストリップショーの観覧が代表的な地位セックスだ。多くのわいせつ物の中に登場する性行為も地位セックス的関係だ。歪曲された性的幻想に基づいて性的パートナーを徹底的に対象化・道具化し、欲望を満たすためには相手に権力(暴力)を振るうこともできると正当化する内容だ。おそらく今回、加害者の子供たちが見たわいせつ番組やサイトというのも、この範疇であると思われる。

大邱の小学生集団性暴行事件は性談論の開放化という現状の中、韓国社会が思わず反人間的で暴力的なわいせつ物に免罪符を与えてしまったのではないのかと、今一度問いかける。今すぐケーブル・衛星放送などを荒らしているわいせつ番組から規制しなければならない。しかし2日、ようやく委員人選を終えるには終えたが、放送通信審議委員会が2カ月以上、業務空白状態で発足さえできないというからもどかしい限りだ。



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