国会行政自治委員会は３０日、全体会議を開き、魚淸秀（オ・チョンス）警察庁長に対し、最近北京五輪聖火リレーの際に中国人留学生が暴力行為を起こしたことについて、徹底的に追及した。

質疑に臨んだ議員らは、与野党を問わず警察の安易な対処を叱責し「治安主権の回復」に向けた対策作りを求めた。与党ハンナラ党鄭甲潤（チョン・ガブユン）議員は「警察が、国内の違法デモへの対応ほどのレベルで聖火リレー妨害に対処したならば、国民の世論がここまで沸騰しなかっただろう」とし「警察が適時に、適切な対応を取らなかったために、国家と政府の威信が損なわれた」と強調した。

無所属兪奇濬（ユ・ギジュン）議員は「今回の暴力行為はある程度予想されたもの」とし「今月だけでもフランスとキャンベラなどで中国人数千～１万人が抗議の行進を行い、衝突が発生していた」と指摘した。兪議員は「こうした状況をすべて把握していたはずなのに、警察が何の対策も講じていなかったように見える。あまりにもずさんな対応で、おかしい」と述べた。


▽ハンナラ党権炅錫（クォン・ギョンソク）議員＝「中国大使館を通じて組織的にデモが行われたという情報もあるが、きちんと調べているのか。事後の中国側の措置が、さらに韓国民のプライドを傷つけている」。

▽創造韓国党金栄春（キム・ヨンチュン）議員＝「法律を違反した者をきちんと処罰するものの、罪のない中国人留学生まで同じ扱いする方向に流れてはならない」。

これに対し、魚庁長は「違法行為に対しては国籍を問わず、法と原則に基づき徹底的に処罰する」とし「現場で検挙した１人のほか、約４人の身元情報が（追加で）確認され、うち１人は今日（３０日）中にソウル警察庁が事前逮捕状を請求すると聞いている」と答弁した。また「証拠資料とインターネットの動画、防犯カメラ、目撃者らを確保し、暴力行為に直接かかわった人に対しては、最後まで追跡し、法的措置を取る計画だ」と述べた。

魚庁長は、中国大使館の介入説については「まだそこまでは確認できていない」とし「動員されたことと、暴力行為を組織的に行ったことは、レベルが異なるものと考える」とし、慎重な姿勢を示した。続けて、今回の事態について「大変遺憾に思う」とした上で「警察９０００人を動員し警戒態勢を敷いたが、聖火が移動する沿道に集中したため、瞬間的な対処が不十分だった」と話した。

◇孫鶴圭氏「断固たる対処を」＝野党統合民主党の孫鶴圭（ソン・ハッキュ）共同代表はこの日、最高委員会議で今回の事態について「韓国が非常に危うい状況にあるという気がする。白昼の路上で中国人留学生が暴力デモを行い、韓国警察はきちんとした対応もできずにいる中、中国政府は中国人学生の行為を『正義の行動』と主張しているが、大韓民国の威信と権威の問題だ」と叱責した。孫代表は「政府が牛肉交渉など低姿勢外交を行うからこんなことになる。中国に断固たる姿勢を見せるべきだ」と主張した。

同党金孝錫（キム・ヒョソク）院内代表も「国民の１人として、中国人留学生の暴力デモに侮辱感を覚える」とし「農民のデモは厳しく鎮圧し、中国人留学生の暴力に屈するならば、国民が付いてくるだろうか」と加勢した。同党金忠兆（キム・チュンジョ）最高委員は「中国人留学生の暴力行為は歪曲された民族主義の弊害を懸念させる」と話した。