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「住民たちは1年以上待ってくれない」橋下大阪府知事



スピードとエネルギーで改革を

1月末に行われた大阪府知事選挙で日本の最年少地方自治団体長に選出された橋下徹知事(38、写真)。弁護士、タレント出身の有名人だったが行政経験はなかった。そのため多くの人が「どれだけのことができるのか」という目で彼を見てきた。


彼の就任第一声は「5兆円の負債を抱いている大阪は破産状態だ。大阪庁舍を解体する」だった。そして大阪の財政改革を“大阪維新”と名付けた。就任2カ月半の間、橋下府知事は▽大阪府が推進中の事業の全面見直し▽府の所有施設の民営化▽人件費削減▽公務員給与削減▽接待費廃止--など次々行政手術を断行している。また職員たちには「私と一緒に死ぬという覚悟で働いてくれ。住民たちは1年以上待ってくれない」という極端な発言までした。そんな中、傘下自治体長の激しい反発や攻撃にぶつかり、涙で訴えるタレント気質も発揮した。

住民たちはそんな彼を支持している。先週、現地メディアが行った世論調査で回答者の75.8%が彼の改革を支持した。30代の支持率は82%に達した。日程を分単位で行う橋下知事に24日、大阪府庁舍で会った。

--大阪改革の基本方向は。

「5兆円に達する大阪の負債はじっとしていても税金が入ってくるという安易な考えにおぼれて政府が収入を超過して予算を編成したために生じたのだ。大阪財政改革の大原則は収入に合わせて予算を編成することだ。そのためには行政を大手術して最大限節約し、無駄使いを減らさなければならない。改革が成功したら経済と金融ともに安定するだろう」

--世界経済沈滞とともに石油価格は急騰しており経済状況が良くない。特別な景気浮揚策が必要だという指摘が多いが。

「政府が景気刺激策を用意するのが経済破綻の原因だ。選挙運動期間内“行政が民間を導く時代はもう終わった”と言って通した。政府の役割は民間が望むことが何なのかをみつけることだ。中央政府や地方政府とも民間の要求と声を聞く姿勢が足りないようだ。政府は大学や研究機関ではない。何より水掛け論が経済悪化の原因だ。幸いに大阪はシャープなど大企業工場を誘致して経済が徐々に活気を取り戻している。私はシャープの社長を含む企業政策担当者たちと会って大阪の政策方向を論議している」

--改革を推進しながら多くの抵抗にぶつかったが。

「安定的な社会と時代なら私のような人がリーダーになってはいけない。有権者たちはもっと思慮深くて、慎重に判断するリーダーを選択したはずだ。しかし、今は大阪だけではなく日本と世界が危機状況だ。変化と改革をしなければならないということだ。このためにはエネルギーとスピードが必要だ。社会を変えるためには本当にかなりのエネルギーが必要だ。このエネルギーは若さから出る。私がもし40歳だったら今のようなブルドーザー式改革を推進することができなかったはずだ。若いから違うこと、はずれたこともできるのだ。これを指摘して批判するのがマスコミの役割だと思う」

--就任直後、大阪駐在韓国、中国、タイ、米国総領事館を訪問したが、先日は中国上海を訪問した。特にアジア国家を重視する理由があるか。

「東京との差別化戦略だ。米国やヨーロッパ国家は中央政府で対応するではないか。大阪が東京とまったく同じことをしたら誰も注目しないだろう。大阪はアジアの国々と近くて親しいというメッセージを送りたい。アジア地域と事業・文化など交流をしたければ東京より大阪に行きなさいという話が出るようにしたい。地方都市が外国都市と緊密に交流して強いつながりを作れば、中央政府の外交では解決できない問題も簡単に解決することができる」

--連日テレビに出て「大阪財政再建」を叫ぶ知事を、過去「郵政改革」を叫んだ小泉純一郎元首相と比べる人が多い。10年後、自分の姿を想像すると。

「私は今7人の子供がいる(高校の同窓生である夫人と3男4女の父)。10年後には子供が1人くらいは増えて8人の子供の父親になっていてもいいんじゃないかなあと思う」



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