国内で絶滅した天然記念物のトキを中国から譲り受けて繁殖させようと署名運動をしているチャン・ジュンヒョク君とチョン・ジュンソク君が明るく笑っている。2人は8月、慶南昌寧郡で行われる韓中青少年トキ交流祭りも準備している。(写真=キム・ソンリョン記者) |
中国側も肯定的反応
先月18日、チョン・ジュンソク君(19、慶煕大学社会科学部2年)とチャ・ヒョンスク君(17、昌寧高2年)は、中国北京行きの飛行機に乗った。
目的地は中国陝西省漢中市洋県のトキ飼育センター。センターは、韓国内ではすでに絶滅したとされるトキ500羽を飼育している所だ。機内でチョン君は終始、トキのことしか考えていなかった。チョン君は「生きているトキを見られると思うだけで胸が震えて、どうすればそれを寄贈してもらえて、我が国で繁殖させることができるのか、そればかり考えていた」と話した。飼育センター訪問はひとまず成功。漢中市の賀書田副市長は洋県の反対にもかかわらず「トキをむやみに渡すことはできないが、韓国の青少年たちが望むのなら行政上あらゆる経路を通じて最善をつくす」という約束をとりつけた。来月下旬、昌寧郡(チャンニョングン)と漢中市が正式に友好協定を締結するという日程も決まった。
チョン君がトキに関心をもち始めたのは昨年10月だ。青少年インターネット新聞であるナリンニュース(www.narinnews.com)の発行人であるチョン君はインターネット新聞を一緒に作るチャ君から、昌寧郡が国内で絶滅した天然記念物(198号)のトキの復活に関心があるという話を聞いた。当時、昌寧郡は10月に行われるラムサール条約締約国会議に先立って、トキを寄贈してほしいと訴えたが、大きな進展はなかった。
チョン君とチャ君は2月に北京で行われた世界青少年文化交流祭りで、中国文化部高位関係者に「トキを送ってほしい」と要請「あなたたちが望むのなら方法を考えてみる」という回答を得た。中国で国鳥としているトキを譲り受けるには明らかな名分を提示しなければならないということも知った。彼らは帰国後、青少年たちを対象に署名運動を始めた。「北京五輪を迎え、中国の青少年たちから平和、環境の贈り物としてトキを譲ってもらい、繁殖させたい」という内容だ。慶南昌寧高など全国小・中・高30校2万人が署名した。
チョン君は「(日本産トキが絶滅した)日本では、100億ウォンとという巨額を投入したが、僕たちはお金の代わりに意を集めて伝えようとインターネットで署名を始め、3分間の動画も制作した」と言った。
日本は中国からトキを持ちこむために道路や学校、飼育施設も作った。
昌寧郡でも16億ウォンの予算を策定し、総合復元センター敷地の確保に入った。牛浦(ウポ)沼近くの村2万3000平方メートルが対象地だ。8月には昌寧で韓中青少年トキ交流祭りも開くことにしている。
トキを譲り受けるには中国の中央政府と韓国政府の合意手続きが残っている。チョン君は「24日、文化財庁に支援を要請し、25日には昌寧郡も青瓦台に報告書を提出した」とし「青少年たちがここまで進捗させたので、大人たちが力を貸す番」と話す。
チャ君は「復活・増殖は専門家の仕事だが、韓国の青少年トキ後援会を結成し、ずっと見守りたい」とし「昌寧郡青少年たちは湿地の掃除をしながらトキに会う準備をしている」と話した。
◇トキ=白い羽毛に朱色を帯びたコウノトリ目のトキ科の鳥で、天然記念物(198号)に指定されている。身長は70~80センチ。沼や田、浅い岸辺で魚やカエル、貝、昆虫を食べる。中国では一時、20羽に減ってから農薬使用中止などの努力により数が増えた。日帝強制占領期とき、独立の念願を込めた童謡『トキ』が発表された。80年以後、国内では観察されていない。
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