|
|
先月初め「雨水利用を進める全国市民の会(People for Rainweter)」という日本の市民団体の関係者10人がソウルを訪れた。彼らの目的はソウル紫陽洞(チャヤンドン)の住商複合マンション団地であるスターシティーの雨水利用施設を見学することだった。訪問団には雨水利用の世界的な権威である村瀬誠博士と「雨水とあなた」という環境専門雑誌の編集者、雨水タンク会社の社長らが参加した。彼らはスターシティーを見学した後「日本にはない立派な施設」だと評価した。これに先立ち昨年5月には国連環境計画(UNEP)の14カ国関係者もスターシティーを見学した。
世界の雨水専門家が注目するスターシティーの秘密は何か。スターシティーは建国(コングク)大学が所有しているの野球場跡地に2006年6月、完工した住商複合型のマンション。58、50、45、35階の建物4棟に1310世帯が入居している。
◇年間4万トンの雨水をリサイクル=このアパートは昨年3月から団地のまん中にある、中央公園の造景用水、噴水および人工川と共用トイレ(地下1階と地上1階)用水に雨水を使っている。大半のマンション団地ではこのような用途に水道水を使う。1年間でリサイクルした雨水は4万トン。オフィステル133世帯を含む1310世帯全体で1年間に使った水道水(20万トン、1億6000万ウォン相当)の20%に該当する。
スターシティの敷地は6万2500平方メートルだが地面(4万5000平方メートル)と建物の屋上(6200平方メートル)で雨水を回収できる面積は5万1200平方に達する。地下には屋上の雨水、地面に降った雨水、非常用水を保存する1000トンのコンクリートタンクがそれぞれ3台ずつ建設されている。
この敷地に雨水利用施設導入を提案したのは所轄の広津区庁だった。大規模マンションが建つと暴雨が降った時に、マンションより土地が低い漢江沿いの住宅街が浸水する可能性があるという懸念からだった。
広津区はスターシティーに雨水利用施設を建設した場合、容積率の3%を対価として提供すると約束した。スターシティが雨水利用施設を建設しなかった場合、広津区とソウル市は洪水予防施設の強化のために、莫大な予算を使わなければならない状況だった。
ソウル市の「エコロジー建築基準」によると新築の建物が建築面積の5%(または宅地面積の2%)以上の容量で雨水タンクを造成した場合、基準容積率の4%以内でインセンティブが与えられる。
施工会社のポスコ建設は国内の雨水専門家でソウル大地球環境システム工学部の韓武栄(ハン・ムヨン)教授に助けを求めた。韓教授はソウル大雨水研究センターの所長で国際水協会(IWA)の雨水回収分科委の委員長も務めている。
◇地下コンクリートタンクに雨水保存=雨水利用施設を建設するのに投資された費用は延べ4億6000万ウォン(約4720万円)だ。地表面や地下に雨水を回収できる集水・配水装置を設置するのにその多くが使われた。屋上にある雨水回収用配管の設置や地下階のコンクリート流し込みはほかのマンションでも同じように設置されている。ただし、ほかのマンションは屋上で集めた雨水をそのまま下水道に流し、地下にコンクリートタンクを作らずに、そのままコンクリートを流し込む。韓教授は設計に参加した縁からこのマンションに入居し、雨水のリサイクルをモニタリングしている。
韓教授は「公共機関の雨水リサイクル率が27%程度。それに比べてスターシティーの雨水利用率は66%に達する」と述べ「今年の下半期には住民専用のサウナやプールも建設し、これらの施設にも雨水を使う予定だ」と話した。「ダムや雨水ポンプ場のような施設とは違い、雨水利用施設は住民と地方自治体が少ない費用で社会的な利益を得られる施設だ」とし「韓国も水不足国家。水は節約して使わなければならず、簡単に捨ててはいけない」と指摘した。
この記事を読んで…