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<時事評論>初の宇宙飛行士の経済的価値

ホ・ヒヨン韓国航空大学航空経営学部長



我が国はブラジル・マレーシアに続き世界で37番目に宇宙飛行士を輩出する国になる。やや遅い方だ。各国で最初に輩出された宇宙飛行士の価値はどのくらいだろうか。1961年、人類初の宇宙飛行士になったユーリ・ガガーリンは、当時熾烈だった米・ソ宇宙開発競争を考慮すると想像を超える価値を持つ。お金では計算しにくい初の宇宙飛行士の価値。宇宙飛行士の誕生の背景と役割を通じてざっと計算してみよう。

これまで輩出された470人の宇宙飛行士にはおよそ3種類の部類がある。1つ目は宇宙往復船を保有した米国とロシア、中国など3カ国が輩出するグループだが、米国とロシアが全体の約 85%を占める。これらの大部分は宇宙飛行士と実験科学者などいわゆるプロたちだ。次は旧ソ連時代に、衛星国に対する配慮の次元で無料で搭乗させたグループだ。モンゴル、アフガニスタンを含み計10カ国が該当し、これらは帰還後、国民的英雄になったが、宇宙飛行だけで役割が終わった。3つ目は宇宙船保有国と契約して共同で乗船する宇宙飛行士だが、ヨーロッパを含め日本、カナダなど現在まで20カ国にのぼる。大部分、有人宇宙活動を通じる国際共同開発の参加目的だが、我が国もこのケースに当たる。


日本では初の宇宙飛行士の栄誉をめぐって2人が争っている。秋山豊寛氏と毛利衛氏だ。宇宙飛行は秋山氏が先だった。1990年、東京放送株式会社(TBS)が開局40周年を記念して秋山記者を候補として選抜し、ロシアの宇宙船に搭乗させる宇宙飛行士のイベントに成功した。当時マスコミは、宇宙時代の幕開けだと言った。しかし日本政府は秋山氏を公式的な初の宇宙飛行士とは認めていない。実際、飛行は遅れたが航空宇宙開発局(JAXA)の候補として選抜され、2年遅れて宇宙飛行をしたエンジニア出身の毛利氏を初の宇宙飛行士と認めている。チャレンジャー宇宙往復船事故で日程が延期になったが、7年間の訓練過程と宇宙空間での科学実験などの任務遂行に対する評価の結果だ。

毛利氏はJAXAに勤務し、2000年の退役までの間にもう1回宇宙飛行をした。秋山氏の経済的価値はおそらく当時宇宙船搭乗に支給した2800万ドル程度だろう。一方、毛利氏の価値は帰還後も続けた宇宙開発プログラムを通じて具現化されている。2005年、三菱総合研究所では年間2000億円以上を投資している宇宙開発事業の経済的効果を6500億円と推定したことがある。「社会生活への貢献」「産業への貢献」「国際社会への貢献」「学問・教育への貢献」「個人の気持ちの充足への貢献」を考慮した別の社会的効果は3000億円程度と推定された。

真の宇宙飛行士の価値は宇宙飛行士の役割で決まる。飛行後、宇宙飛行士の活動は国ごとに多様だ。後続事業に参加させて宇宙飛行と科学実験の経験を積極的に活用するケースがあるかと思えば、個人的次元に任せて講演や執筆などで宇宙科学をPRする役割をするかまったく普通の生活に戻ることもある。

韓国の宇宙飛行士事業は260億ウォン(約27億円)を投入して政府の主導の事業として推進された。全国民対象の評価額の候補選びから打ち上げに至る全過程が鮮明に中継され、宇宙飛行のイベントとして認識されることもある。しかし韓国の宇宙飛行士は宇宙任務を遂行する科学実験宇宙飛行士(payload specialist)だ。国家宇宙開発企画(1996年)の中間成果物であると同時に、衛星ビジネスの成功と合わせて今後進行される宇宙開発の可能性と自信を確認する初の試みだ。宇宙飛行士のイ・ソヨンさんが単純な宇宙旅行者になってはいけない理由だ。ちょうど来年には世界各国で3000人の宇宙学者たちが参加する国際宇宙連盟総会(IAC)も大田(テジョン)で行われる。宇宙ステーション、月探査などを通じて韓国の宇宙飛行士の価値を極大化する宇宙開発戦略がこれまで以上に必要な時期だ。



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