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元弁護士橋下徹日本大阪府知事(38、写真)が果敢な行政改革を強力推進している。
彼が大阪府知事に就任したのは2カ月前だ。大阪府は5兆円の負債で喘いでいた。彼の就任後最初の一言は「大阪は破産状態だ。大阪庁舎を解体する」とし、大々的な行政改革を予告した。
世論は「行政経験の全然ない彼に何ができるのか」とし悲観的だった。しかし彼は知事特別顧問として公共経営学専門家である上山信一慶応大政策学部教授を迎え入れてから大々的な行政手術に突入した。
まず大阪府のすべての事業の全面見直しをして府が所有する施設を民営化することにした。5月からは大阪府の建物を禁煙庁舍に変え、1日30分保障された公務員たちの休み時間もなくす。1日には知事を含む全公務員と地方議会議員の慶弔費と接待費を廃止するという内容の行政改革案を発表した。今年の人件費380億円、事業費440億円を削減し、府所有施設を売却、280億円を得るという計画も含まれた。公務員給与も10%程度削減される。橋本知事は「公務員たちの反発が予想されるが、賃金を減らせば年間380億円の支出を減らすことができる。公務員たちの意識改革のない改革は、住民たちから歓迎されることはできない」と強調した。自らも「企業と後援者たちの与える政治資金は一銭も受けない」と宣言している。
彼は破格的な行政改革に劣らない毒舌でまた知られるようになった。「僕と一緒に死ぬ覚悟でがんばってほしい。死んでください」「大阪は破産状態だ。民間企業だったら少し早く月給が半分に減っていただろう」という初登庁の辞は序の口にすぎなかった。メディアとのインタビューでは「知事は独裁者だ。私が誤った道に進まないよう、私を見張って、非難してくれ」という言葉まで吐いた。
彼の行いはふと小泉純一郎元首相を連想させる。小泉元首相は時間さえあれば放送に出て“郵政改革”を叫んだように、彼は“財政再建”を唱えている。月2度だった知事記者会見を週1回に増やし、テレビ出演をしていた経験を生かして時事番組などにも顔を出している。
大阪住民たちの反応は肯定的だ。彼は先月中旬、若い公務員たちと会った席で延長勤務手当を減らすという意思を示した。するとある女性職員が「私たちがどれだけサービス残業していると思っているんですか。言葉はもっともらしいが、あなたは大阪住民と私たち公務員たちを仲たがいさせようとしている」と話した。
ところが翌日、この職員には1000通の抗議電子メールと抗議の手紙が殺到した。
<橋下知事語録>
「大阪は破産状態だ。府庁を解体する」
「僕と一緒に死ぬ覚悟でがんばってほしい。死んでください」
…今年2月6日の就任辞で。
「私は住民のために働く人であって放送局のために働く人ではない。これからNHKのスタジオには来ない」
…2月13日の録画現場に現われた知事にアナウンサーが「30分遅刻」と指摘したのに対し。
◇橋下徹知事=1月末、大阪府知事選挙で無所属候補として当選した。最年少知事だ。早稲田大政経学部を卒業した後、弁護士になった。“年俸3億円の弁護士”として名声を掲げ、朝のテレビ番組や対談番組、トークショーなどに出演し、有名になると、後に政界に入門した。「日本は核を保有すべきだ」「日本人による買春は中国へのODAみたいなもの」など過激な発言も波紋を呼んだ。家族構成は大阪北野高校同窓生の夫人と3男4女。
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