危機管理マニュアルを用意せよ

専門家たちは危機管理が２１世紀企業経営の重要課題になっているという。米ＭＢＡスクールが競争的に危機管理を必須科目として採択することも、こうした時代の流れを反映したものだ。米国のシカゴにあるノースウエスタン大学のケロッグスクールは、９月の学期のはじめに１０回にわたって危機管理科目を教える。同校を卒業したベインエンカンパニーのキム・テユンコンサルタントは「会社が社会的に非難を浴びたとき、どう対処するかを事例中心に詳しく学んだ」と伝えた。

韓国危険管理学会は「リスク管理賞」を与える目的として昨年、国内主要企業の危機管理実態を調査したことがある。しかし今年３月に予定した授賞式は行われなかった。危機管理システムをきちんと構築した企業が見つからなかったからだ。キム・ドチョル（祥明大産業大学長）学会長は「企業が危険管理をきちんとするためには、すべての危険要素を分析した後で予防策と事後対策を樹立し、持続的にシステムが作動するのか点検しなければならない」とし」「国内にはこのようなシステムを構築した会社がないようだ」と述べた。農心側も危機管理マニュアルがあると主張したが、実際これを提示することはできなかった。


外国企業も危機管理を体系的にするところは珍しいのが現実だ。世界的危機管理専門家であるマイケル・レジスター氏は自分の著書『戦略的イッシュー管理ＰＲ』で「多くの企業が危機状況の広報計画を文書で作っていない」と指摘した。

しかし、先進多国籍企業は危機管理マニュアルを準備し、周期的に訓練をしている。国内に進出したある多国籍食品会社の関係者は「マニュアルによって本社はもちろん、世界各国の現地法人が毎年１～２回仮想訓練をする」とし「このとき最高経営者はカメラの前で記者会見の練習をする」と伝えた。

ニュースコム社長は「会社をめぐり発生することが考えられる各種危機のシナリオを開発し、それによる危機管理マニュアルを準備しなければならない」とし「マニュアルには利害当事者の連絡先と社内担当者名簿はもちろん、広報目標と対応戦略などが書かれていなければならない」と話した。



“危機管理”失敗した農心と東遠Ｆ＆Ｂ…①
“危機管理”失敗した農心と東遠Ｆ＆Ｂ…②
“危機管理”失敗した農心と東遠Ｆ＆Ｂ…③