「通貨危機以来、生活苦痛指数に物価が影響を及ぼしたのは初めて」
白菜価格値上がり、サワラ、ワケギも2倍に高騰
風刺画家のチョン・エスクさん(38、京畿道富川市)は、18日、キムチを漬けようと買い物に行った。昨年のこの時期、5株を漬けるのにかかった費用が1万1000ウォン(約1086円)だったが今年は3株を漬けるのに2万ウォン(約1974円)かかった。家計簿をさかのぼってみると野菜の値段が大幅に高騰していた。今年3株で6000ウォン(約592円)かかった白菜は、昨年5株で5000ウォン(約493円)だった。1本500(約49円)~700ウォン(約69円)したダイコンは1200ウォン(約118円)、ワケギ1束は1000ウォンから2480ウォン(245円)に値上がりしていた。キュウリ(3本1000ウォン→2000ウォン)やサワラ(一尾800ウォン→1800ウォン=約、約79円→177円)も2倍以上値上がりしていた。
チョンさんは日々貯蓄にいそしむ「節約家」に属する。そんなチョンさんが財布のひもをさらに締めたのも今月に入って月の生活費が210万ウォン(約20万円)から10万ウォン(約9800円)も増えたからだ。値上がりした食費のせいだ。「映画館にも行かず、外食を減らし、車にも乗っていないのに食材の高騰がばかにならない」と愚痴をこぼした。
原資材の値段高騰はこれから産業の現場の話だけにとどまらなくなる。いつのまにか家計簿にもしわ寄せを及ぼしているのだ。先月の消費者物価上昇率は3.6%で5カ月間連続で3%を超えている。統計庁の関係者は「物価調査後にインスタントラーメンが値上がりし、消費者が実際に感じている物価は数値を上回っている可能性もある」と話した。
◇物価の値上がりを肌で感じる=「昨年は石油が値上がりし、車を運転する際に計器盤を頻繁にのぞくようになりました。今年に入ってからはお昼ごはんを食べに行くのもためらうようになりました」。
ソウル西小門(ソソムン)のある大企業に通うキム某さん(35)の話だ。小麦粉が値上がりし、ジャージャー麺やカルグクス(韓国式うどん)のような庶民の食べ物までも価格が一気に高騰したためだ。
生活用品の価格も値上がりしている。大型量販店は昨年下半期から値段が安い自社ブランド(PB)市場に発表し、競争を繰り広げ、すぐに生活用品の値上げは行わない方針だ。だが内部事情は差し迫っている。ロッテマートの商品運営チームのグ・チャンモ課長は「価格をいまのまま抑えておくのは難しい」と状況を説明した。納品している企業が原価の上昇を理由に単価を上げてくれと要求しているのだ。
中国産の製品価格も上昇し始めている。値段が安い中国産は世界のいたるところの実感物価を一気に引き下げるのに最も貢献していた。しかし、中国から生活雑貨を輸入しているムン・ヒョンオさんは「昨年末に70元したコーヒーカップのセットたった2カ月で77元に値上がりした」と明らかにした。全般的に納品価格が10~15%も上昇し、近い将来再び上昇するはずだとムンさんは見込んでいる。国際貿易研究員のチョン・ファンウ首席研究員は「中国の賃金、物価、原資材の価格が上昇し、中国産製品の値段も上昇している」と説明した。
物価が下落する兆候は全くない。三星(サムスン)経済研究所によると石油価格上昇は1カ月後に生産者物価に、2カ月後には消費者物価に影響を与える。石油価格と原資材価格が高騰を見せ、これと関係している物価は当分の間、上向きの曲線を描く見通しだ。この研究所の張在澈(チャン・ジェチョル)首席研究員は「これまでに原資材価格が高騰した際には一部の品目だけが上がったり、価格上昇の衝撃を産業界が現場でできるだけ吸収してきたので、生活経済に直結することはなかった」と述べ「最近オイル価格、穀物価格、原資材価格がともに上昇し、為替レートまでが不安定な状況に陥って、その波が消費者にも波及し家計を圧迫している」と説明した。
◇消費者にとって最も大きい苦痛は物価=LG経済研究院は1995年から生活経済苦痛指数を測定し、発表してきた。消費者の物価上昇率と体感失業率を足した数値だ。高いほど経済的な苦痛が大きい。昨年9月、8.5だった苦痛指数は毎月上昇し1月には12.2になり、ここ3年で最高値を記録した。この研究院のペ・ミングン専任研究員は「これまで10年間の苦痛指数は主に雇用の影響を受けてきたが、昨年の第4四半期からは物価の影響がより大きくなった」と説明した。
消費者の期待指数と評価指数など消費心理を表す指数はどんどん下降線を描いている。財布の紐をきつくしめたということだ。大型量販店のコメの販売量は今月に入って20%増加した。外食を減らし、家でご飯を炊いて食べる家庭が増加したと流通業界はみている。車の運転も自制ムードに入っている。駐車場コンサルティング会社のパークゾーン関係者は「今年に入って一般券(時間料金制)の利用客が前年の同じ時期に比べて15~20%減った。定期券を解約する利用客も増加している」と明らかにした。また「当社も管理費が上がり、料金を割引する余力がない」と話した。
家計の消費を節約するにも近い将来、限界がやってくるという分析結果も出ている。エデュマネー代表のチェ・ユンギョンさんは「多くの中産階級の家庭が不動産融資の元利金を返すために可処分所得が大幅に減っている状態だ。物価が小幅に上昇しただけでも打撃が大きい」と話した。
物価の高騰傾向は韓国だけの問題ではなく、世界的な現象だという点が目の前をさらに暗くしている。食料品の価格が急騰し、中国は先月、消費者物価が8.7%も上昇した。米国の消費者物価は4.3%、ヨーロッパは3.2%も上昇した。世界全体の消費者が一度に物価高に苦しめられている。
白菜価格値上がり、サワラ、ワケギも2倍に高騰
風刺画家のチョン・エスクさん(38、京畿道富川市)は、18日、キムチを漬けようと買い物に行った。昨年のこの時期、5株を漬けるのにかかった費用が1万1000ウォン(約1086円)だったが今年は3株を漬けるのに2万ウォン(約1974円)かかった。家計簿をさかのぼってみると野菜の値段が大幅に高騰していた。今年3株で6000ウォン(約592円)かかった白菜は、昨年5株で5000ウォン(約493円)だった。1本500(約49円)~700ウォン(約69円)したダイコンは1200ウォン(約118円)、ワケギ1束は1000ウォンから2480ウォン(245円)に値上がりしていた。キュウリ(3本1000ウォン→2000ウォン)やサワラ(一尾800ウォン→1800ウォン=約、約79円→177円)も2倍以上値上がりしていた。
チョンさんは日々貯蓄にいそしむ「節約家」に属する。そんなチョンさんが財布のひもをさらに締めたのも今月に入って月の生活費が210万ウォン(約20万円)から10万ウォン(約9800円)も増えたからだ。値上がりした食費のせいだ。「映画館にも行かず、外食を減らし、車にも乗っていないのに食材の高騰がばかにならない」と愚痴をこぼした。
原資材の値段高騰はこれから産業の現場の話だけにとどまらなくなる。いつのまにか家計簿にもしわ寄せを及ぼしているのだ。先月の消費者物価上昇率は3.6%で5カ月間連続で3%を超えている。統計庁の関係者は「物価調査後にインスタントラーメンが値上がりし、消費者が実際に感じている物価は数値を上回っている可能性もある」と話した。
◇物価の値上がりを肌で感じる=「昨年は石油が値上がりし、車を運転する際に計器盤を頻繁にのぞくようになりました。今年に入ってからはお昼ごはんを食べに行くのもためらうようになりました」。
ソウル西小門(ソソムン)のある大企業に通うキム某さん(35)の話だ。小麦粉が値上がりし、ジャージャー麺やカルグクス(韓国式うどん)のような庶民の食べ物までも価格が一気に高騰したためだ。
生活用品の価格も値上がりしている。大型量販店は昨年下半期から値段が安い自社ブランド(PB)市場に発表し、競争を繰り広げ、すぐに生活用品の値上げは行わない方針だ。だが内部事情は差し迫っている。ロッテマートの商品運営チームのグ・チャンモ課長は「価格をいまのまま抑えておくのは難しい」と状況を説明した。納品している企業が原価の上昇を理由に単価を上げてくれと要求しているのだ。
中国産の製品価格も上昇し始めている。値段が安い中国産は世界のいたるところの実感物価を一気に引き下げるのに最も貢献していた。しかし、中国から生活雑貨を輸入しているムン・ヒョンオさんは「昨年末に70元したコーヒーカップのセットたった2カ月で77元に値上がりした」と明らかにした。全般的に納品価格が10~15%も上昇し、近い将来再び上昇するはずだとムンさんは見込んでいる。国際貿易研究員のチョン・ファンウ首席研究員は「中国の賃金、物価、原資材の価格が上昇し、中国産製品の値段も上昇している」と説明した。
物価が下落する兆候は全くない。三星(サムスン)経済研究所によると石油価格上昇は1カ月後に生産者物価に、2カ月後には消費者物価に影響を与える。石油価格と原資材価格が高騰を見せ、これと関係している物価は当分の間、上向きの曲線を描く見通しだ。この研究所の張在澈(チャン・ジェチョル)首席研究員は「これまでに原資材価格が高騰した際には一部の品目だけが上がったり、価格上昇の衝撃を産業界が現場でできるだけ吸収してきたので、生活経済に直結することはなかった」と述べ「最近オイル価格、穀物価格、原資材価格がともに上昇し、為替レートまでが不安定な状況に陥って、その波が消費者にも波及し家計を圧迫している」と説明した。
◇消費者にとって最も大きい苦痛は物価=LG経済研究院は1995年から生活経済苦痛指数を測定し、発表してきた。消費者の物価上昇率と体感失業率を足した数値だ。高いほど経済的な苦痛が大きい。昨年9月、8.5だった苦痛指数は毎月上昇し1月には12.2になり、ここ3年で最高値を記録した。この研究院のペ・ミングン専任研究員は「これまで10年間の苦痛指数は主に雇用の影響を受けてきたが、昨年の第4四半期からは物価の影響がより大きくなった」と説明した。
消費者の期待指数と評価指数など消費心理を表す指数はどんどん下降線を描いている。財布の紐をきつくしめたということだ。大型量販店のコメの販売量は今月に入って20%増加した。外食を減らし、家でご飯を炊いて食べる家庭が増加したと流通業界はみている。車の運転も自制ムードに入っている。駐車場コンサルティング会社のパークゾーン関係者は「今年に入って一般券(時間料金制)の利用客が前年の同じ時期に比べて15~20%減った。定期券を解約する利用客も増加している」と明らかにした。また「当社も管理費が上がり、料金を割引する余力がない」と話した。
家計の消費を節約するにも近い将来、限界がやってくるという分析結果も出ている。エデュマネー代表のチェ・ユンギョンさんは「多くの中産階級の家庭が不動産融資の元利金を返すために可処分所得が大幅に減っている状態だ。物価が小幅に上昇しただけでも打撃が大きい」と話した。
物価の高騰傾向は韓国だけの問題ではなく、世界的な現象だという点が目の前をさらに暗くしている。食料品の価格が急騰し、中国は先月、消費者物価が8.7%も上昇した。米国の消費者物価は4.3%、ヨーロッパは3.2%も上昇した。世界全体の消費者が一度に物価高に苦しめられている。
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