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日本最大ウイスキーメーカーであるサントリーが、今月から“環境緑化事業”を始める。
サントリーは土の代わりに使うことができる人工土壌エコパフという新素材を開発した。同社関係者は「人工土壌の材料であるウレタンのスポンジ成分により水を長く含み、風もよく通る」とし「土よりも植物を上手に育てることができる」と明らかにした。サントリーが本業である酒類業から脱し“副業”を始めるのは、環境緑化事業が金のなる木だという点に着目したからだ。
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日本では京都府など多くの都市が大型ビルの屋上緑化事業を義務化したり積極的に勧奨したりしている。エアコン稼働などで発生する二酸化炭素(CO2)を減らして都心のヒートアイランド現象を緩和するためだ。これにより環境緑化市場規模が、今年は800億円になるものとサントリーは見ている。
ほかの日本企業も業種にかかわらず相次いで環境産業に参入している。1960~70年代ひどかった公害を乗り越える過程で蓄積された環境の知識と経験を産業化する方向に目を向けているのだ。日本政府も環境産業を新しい成長動力と規定し、集中育成を始めることにした。甘利明経済産業相は最近「2005年59兆円だった環境産業市場を2015年には83兆円まで育てる」と「各種規制を緩和し、環境貿易保険の新設など支援策を用意する」と発表した。
特にエネルギー節約技術、太陽熱発電のような自然エネルギー利用拡大技術は高付加価値未来戦略産業として浮上している。
シャープ、大和ハウス、大日本ニッポン印刷(DNP)など3社は太陽熱発電で起こした電力を保存することができる住宅用蓄電池を共同開発する。2009年から本格的に量産を開始する蓄電池はリチウムイオン電池で、昼、保存された電気を夜も使うことができることから二酸化炭素排出量を画期的に減らすことができる。
電子部品用セラミックスと特殊プラスチック製品を生産してきた大阪堺化学工業は、核心商品を環境浄化用触媒と樹脂添加剤などに転換している。環境を破壊するダイオキシンとオゾンをとり除く分解触媒の需要が急増しているからだ。特に中国は最大攻略対象だ。同社関係者は「8月の北京五輪と2年後の上海万国博を控え、環境浄化製品需要が急増している」と話している。
また佐賀県のベンチャー企業ジェネシスは、温度差発電システムで成長している。海水の上部の暖かい熱(25度以上)と水深800~1000メートルの深海から引き上げた冷たい海水(20度以下)の温度差でタービンを回す。温度が高い中東で人気が高く、昨年はクウェート国営会社が20億円規模のシステムを受注した。温度差発電では世界最大規模だ。カタールも購入を検討している。社名にはアラビア語が併記されている。同社の関係者は「初めて技術を認めてくれた中東に対する敬意の表示だ」と述べた。
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